この時代だからこそ行ってみたい、ノーベル賞作家ヘッセの生まれ故郷


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ドイツ・シュツットガルト・観光地・名所の海外ガイド記事


行き先:
ドイツシュツットガルト
旅行テーマ:
観光地・名所
掲載日:
2009/01/06

ABガイド:Kei Okishima

【ドイツのABガイド】 Kei Okishima
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ライター。早稲田大学第一文学部卒業。ドイツには高校時代に国際ロータリークラブ青少年交換留学でバイエルン州に一年間、大学時代に交換留学でベルリン自由大学、フンボルト大学に一年間留学する。その後ドルトムント大学にてジャーナリズム学科を専攻。現在はフリーライターとしてヨーロッパを中心に活躍中。

この時代だからこそ行ってみたい、ノーベル賞作家ヘッセの生まれ故郷

ノーベル賞作家ヘルマン・ヘッセの生家。(右から2番目)中を見学することはできないが、多くの観光客が外からヘッセの生家を眺める ノーベル賞作家ヘルマン・ヘッセの生家。(右から2番目)中を見学することはできないが、多くの観光客が外からヘッセの生家を眺める

権力などの力に反発したヘッセ

ヘルマン・ヘッセの作品「車輪の下」は日本でもよく読まれているが、自叙伝的作品と言われている。誰にでも一度は経験したことのあるようなプレッシャーとの戦いや精神の病は、21世紀の現在も増え続けている。そんな悩みを100年前にヘッセが抱えていたと思うと、とても不思議な気持ちがする。ヘッセはそんな苦しみの最中も、生まれ故郷のことを懐かしみ、愛し続けた。ヘッセは一体どのような環境で育ったのだろうか。

 

カルフの街並み。美しく保存された木組みの家を見るだけでも価値がある カルフの街並み。美しく保存された木組みの家を見るだけでも価値がある

車輪の下の舞台を辿る

ヘッセが生まれた家はドイツのカルフという小さな町にある。ヘッセは1877年7月2日にカルフで生まれた。彼の生家は現在でも町の中心地に残っている。美しい木組みの家でヘッセの人生という物語が始まるのにふさわしい家である。ヘッセは4歳でバーゼルへ移るまで、この家に住んでいた。ビショッフ通り4番地にはヘッセの祖父が住んでいた家がある。ここにヘッセ一家が住んでいたこともあり、ヘッセが神学校を退学になってカルフへ戻ったときも祖父の家の図書館で文学に没頭したという。そして1985年にテュービンゲンの書店で働くことになり、カルフを去ることになる。これ以降ヘッセがカルフに住むことはなかったが、ヘッセの小説の中にはたびたびその美しい情景が描写されている。「車輪の下」の主人公ハンス・ギーベンラートは、ヘッセの少年時代そのものだと言われているが、カルフの町にはいまでもこの小説に出てくる場所を見つけることが出来る

 

ニコラウス橋の礼拝堂。ステンドグラスも美しい。この橋は1400年頃に建て替えられ、礼拝堂が真ん中に造られた ニコラウス橋の礼拝堂。ステンドグラスも美しい。この橋は1400年頃に建て替えられ、礼拝堂が真ん中に造られた

今でも残るニコラウス橋の礼拝堂

たとえば、ハンスが夏の日に一日中魚を釣ったり泳いだりした場面。これはナーゴルト川に架かるニコラウス橋のことである。ニコラウス橋には小さな礼拝堂があり、ここも小説の中では「橋畔に小さなゴシックの礼拝堂がある」という記述で登場する。この礼拝堂は本当に小さく、人々は通りすがりに外から祈りを捧げている。しかし町の景色にも住民たちにも欠かせない存在であり、そんな姿を小説に入れたくなったヘッセの気持ちも理解できる。

 

ナーゴルト川。ヘッセが愛し続け、懐かしく思い続けた故郷の風景がここにある ナーゴルト川。ヘッセが愛し続け、懐かしく思い続けた故郷の風景がここにある

精神的苦痛と闘いながら平和を願ったヘッセ

ニコラウス橋を渡るとバーンホーフ通りに出る。この通りにあるアルテ・ポストという名のペンションは、小説の中でハンスの家に設定されている。ギーベンラート・ハウスという名で親しまれているこの家は、ヘッセの祖父の隣人であるギーベンラート氏がここでパン屋を営んでいたことに由来する。そしてハンスの苗字ギーベンラートも、彼から取られたものだった。小説の中には他にもカルフの情景を思い浮かべることのできるシーンが連なり、ヘッセがどれだけ故郷を愛していたのかを感じる。ヘッセが最後に故郷を訪れたのは1931年のこと。ヘッセは平和主義であり、そんな彼はナチ時代には批判の対象となり、苦しんだ。ヘッセがカルフの名誉市民となったのは、そんな時代が終わった1947年のことだった。精神的苦痛と戦いながら作家として世に残してくれたヘッセのメッセージ。21世紀の今だからもう一度読み直し、訪れてみたい地だ。

 

【関連情報】

■ Calw カルフ
カルフは、シュツットガルト(Stuttgart)から電車に乗り、カルフ駅下車(1時間半程)。5月から10月の日曜日には、ヘッセと関わりのあった箇所を巡る観光案内がある。14時30分から1時間15分程度で参加費は2,5ユーロ(2008年現在)。2009年の詳細はカルフの観光案内まで。
・Stadtinformation Calw
Marktbruecke 1, 75365 Calw
電話:(+49)70 5196 8810
■ヘッセの祖父の家
Bischofstrasse 4
■ Alte Postアルテ ポスト(ギーベンラート・ハウス)
Bahnhofstrasse 1

 
 

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2009/01/06)
※渡航前に必ず現地の安全情報をご確認下さい。http://www.anzen.mofa.go.jp/


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