一杯のコーヒーは特別

みなさんはコーヒー党ですか?それとも紅茶?緑茶?私はコーヒーもお茶もよく飲みますが、いつの頃からか朝一番に飲むのはコーヒーになりました。起きたてに淹れる一杯のコーヒーは、ガラガラと豆を挽くところから始め、ドリップに静かにお湯を注いでいる間は心が無になるような気がして、私にとって自分だけの目覚めの儀式のような大切な時間になっています。時間をかけて丁寧に淹れた一杯のコーヒーって、ひときわ特別なものに感じませんか?世界には、コーヒーで大切な人をもてなす伝統を持つ人々がいるんです。

一杯のコーヒーは特別のおもてなし(その1)-エチオピアのコーヒーセレモニー- 一杯のコーヒーは特別のおもてなし(その1)-エチオピアのコーヒーセレモニー-

誇り高きエチオピアのコーヒーセレモニー

日本人はお茶を飲むのも「道」として究め、「茶道」というひとつの文化を築きました。アフリカのエチオピアには「カリオモン」と呼ばれる、コーヒーを飲むことを儀式化した伝統的なコーヒーセレモニーの習慣があります。古代イスラエル王国のソロモン王とイエメンのシバの女王の血を受け継ぐとされるエチオピア帝国は、紀元前10世紀から1974年まで約3000年間続いた世界最古の皇室であり、またエチオピアはアフリカ最古の現存する独立国でもあります。その歴史の古さと血筋を誇りとするエチオピア人は、とても気高い人たちです。

セレモニーは女性が執り行うもの

“コーヒー発祥の地”といわれるエチオピアの伝統的な儀式であるカリオモンの「カリ」は“コーヒーの葉”、「オモン」は“一緒に”を意味し、カリオモンは“コーヒーを一緒に飲む”といった意味になるでしょうか。儀式といっても、友人や隣人、お客を招いて世間話などをしながらコーヒーを楽しむもので、日本の茶道のお茶会よりずっと気軽なものです。カリオモンを執り行うのはその家の女性と決まっていて、お客様には一家の主婦が、友人の場合は娘が担当します。よく洗ったコーヒーの生豆を炒るところから始まり、同時に乳香を焚いて香も楽しみます。なんとも優雅なものですね。

大衆酒場でセレモニーを体験

炒った豆の香りを楽しんだら臼ですり潰し、素焼きのポットに沸かした湯に入れて煮立たせます。粉が沈んだら出来上がったコーヒーを注いで来客に勧めます。ポットに水を足して三番煎じまで飲むのが一般的で、だいたい1時間半から2時間かけてセレモニーを楽しみます。エチオピアを訪れたら一度は参加してみたいカリオモン、ツアーには組み込まれていると思いますが、個人旅行なら「ブンナベット」と呼ばれる大衆酒場やレストランでに行ってみましょう。路上で突然コーヒーセレモニーに誘われることがありますが、これはぼったくりのお金目的の場合が多いので、ついていかない方が無難です。