- 前原利行
- 東京出身、神奈川在住。90年代半ばにバックパッカーで世界放浪したことをきっかけに、旅行ライターの道に。ガイドブック、雑誌、ウエブサイトなどで取材やライティング、編集を担当。行った国は90ヵ国以上だが、最近は国の数が増えないことと体力の低下に悩んでいる。他にも映画や音楽の仕事もちょこちょこしている。
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全世界のイスラム圏で使える、便利なあいさつの言葉「アッサラーム・アレイコム」を覚えておこう
日本にいると見知らぬ人とあいさつすることは、ほとんありません。ところが、海外に行くと、今度は見知らぬ人にあいさつされることが多くなってきます。とくにそういう習慣がある欧米ではそうですね。では、アジアやアフリカではどうでしょう。これは国や地域によってかなり異なります。日本のように言葉に出さなくても、ちょっとした微笑みで緊張感が溶ける国もあれば、歓迎しているのかしていないのか、表情からはまったくわからない国もあります。日本で知らない人と目が合う度にあいさつをしていたら変人ですが、そうではない国へ行ったら、その国の習慣に従うほうが懸命です。
さて、その国や地域にはいろんなあいさつの言葉がありますが、覚えておいて損はないのが、イスラム圏のあいさつの言葉、「アッサラーム・アレイクム」です。これはアラビア語で「神の平和を」というような意味なのですが、イスラム教徒間では「こんにちは」程度のニュアンスで、あいさつによく使われる言葉です。この言葉の何が便利なのかというと、国の言語が違っても、世界で数億人いるイスラム教徒とあいさつができるということです。
アラビア語を使うアラブ諸国の人々はもちろん、ふだんはインドネシア語を話しているインドネシアのイスラム教徒、ベンガル語を話しているバングラデシュのイスラム教徒にも「アッサラーム・アレイクム」と言えば伝わります。相手がイスラム教徒だとわかれば、とりあえずこのあいさつの言葉を話しかけてみましょう。バングラデシュの農村に行った時、興味津々で集まって来た子供たちに「アッサラーム・アレイクム」とあいさつをすると子供たちが驚き、「ベンガル語を話している」というようなことをヒソヒソと話していました。これはアラビア語ですが、そのぐらい現地ではふつうに使っている言葉だというのがよくわかりました。ちなみにイスラム教の教典「クルアン」は翻訳はなされずに、全世界アラビア語で伝えられています。
さて、先に「アッサラーム・アレイクム」と相手に言われた場合は、どう答えればいいのでしょうか。その場合は、「ワレイコム・サラーム」と答えるのがふつうです。これは「あなたにも神の平和を」という意味なのですが、あいさつなのでそれほど重い感じで使っている訳ではありません。この言い回しをセットで覚えておくと、トルコでもモロッコでもイスラム圏に行くときに便利ですよ。またアラビア語を母語としないイランのような国では、フルで言いにくいのか、ただ「サラーム!」ですませてしまうこともあります。ちなみにアラビア語に近いヘブライ語では「シャローム」となります。
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