ブータンが世界の秘境になったわけ

「世界のどこがおすすめですか?」とよく聞かれます。その都度悩んだ末に「ブータンです」と答えています。ブータンこそは世界の秘境、何しろ簡単には入国ができないのですから。まずビザを取得するのですが、そのためには、ブータン政府公認の旅行会社を通じて、1日200ドルの公定料金を支払わなければなりません。ここには、ホテル、食事、ガイド、車の料金が含まれています。そしてブータン往復の航空券が必要です。個人旅行でも、このようにツアーのようになってしまうのが、この国の法律なのです。だからこその秘境なのですね。友人の姉が、15年くらい前にブータン人の男性と結婚しましたが、それは日本人とブータン人のカップルで8人目だったそうです。国際化の時代に信じられないことですよね。

あまりにヒマで踊るしかないツアー客 あまりにヒマで踊るしかないツアー客

ブータンはこんなところ

このブータンは、ヒマラヤ山脈の盆地に位置しています。首都のティンプーは標高2334メートル。町の真ん中にウォン・チュ川が流れ、広い河川敷では、夕方になるとサッカーをしています。周囲は山に囲まれています。日本人にそっくりな人もいれば、近隣のバングラデッシュやインド出身の人たちもいます。男は全員「ゴ」という丈の短い着物のようない服を着用しています。これは法律で定められているのです。一番の見どころはタンチョ・ゾン。ブータンの政治と宗教を司る、国の中央政庁です。チベット仏教を奉じているので、チベット風の壮大な建物です。あとは、織物博物館や民族博物館などもあるのですが、半日もあれば回れてしまえます。日本のそばと似たような「プタ」を食べ、松茸は日本にも輸出しています。秘境と言っても、特に目につくものも少なく、あるのは山と川ばかりなり……そんな印象を持たれる方も多いでしょう。

ブータンは何が面白いのか?

しかしだからといって、つまらくはないのです。大人が3人並んで手を頭の後ろに回して、山を見ています。何をしているのかたずねると「山を見ているんだよ」。そのまんまです。普通そうは長く山を見ることなどないのでしょうが、それほどヒマそうなのでした。今では民主主義国家となったものの、2008年の初めての総選挙の折には、「これで国王の子供じゃなくなる」とそれまでの絶対王政を悲しむ人々の姿が報道されました。そんなところがしみじみ面白いのです。旅行者が犯罪に巻き込まれることは今のところほぼ無いと言えますし、実は秘境のブータンこそが、海外初めての人でも安心してぼんやりしててもいい国だと思うのです。今年は6〜8月まで「日本・ブータン親善オファー」と題して、格安で日本人だけ旅行できることになりました。王様に初めてのお子様が生まれる年でもあります。お祝いも兼ねて、行ってみたくなりませんか?