いつかは見てみたい東南アジアの大遺跡

東南アジア有数の遺跡、アンコールワット。これは単独でポツンとあるのではなく、「アンコール遺跡群」というクメール王朝時代に建てられた数百の寺院群のひとつです。クメール王朝は現在のカンボジアだけでなく、ラオスやタイに広がる領土を持ち、9世紀から15世紀までの600年間にわたり栄えました。その都が現在のシェムリアップの町がある、アンコールです。この地にアンコールワットが建てられたのは12世紀前半で、王朝が続いた約600年間のちょうど中頃でした。国力も十分な時で、国王スーリヤヴァルマン2世は即位すると、すぐにこの壮大な寺院の造営に取りかかりました。ちなみにスーリヤヴァルマン2世は、副王時代に「タイのアンコールワット」と言われるピマーイ遺跡の寺院も建設したといいます。ピマーイ遺跡については、以前に「タイの穴場観光地・東北部のクメール遺跡を行く その2 タイのアンコールワット、ピマーイ遺跡」という記事にしたので、そちらを参照ください。

一度は行ってみたい東南アジアを代表する遺跡、アンコールワット 一度は行ってみたい東南アジアを代表する遺跡、アンコールワット

アンコール遺跡群を代表する質と量

さて、アンコールワットですが、アンコール遺跡群の中でも、スケール、そしてルックスともに群を抜いて優れていることは確かです。寺院を彩る浮き彫りの数々に見応えがあり、特に回廊部分のレリーフの完成度には素晴らしいものがあります。また、このアンコールワットはヒンドゥー教のヴィシュヌ神に捧げられた寺院ですが、この後に建てられた寺院は大乗仏教寺院が中心。そんな意味でアンコールワットは、それまでのクメール・ヒンドゥー美術の集大成とも言えるでしょう。建設には、当時の人口などを考えると30年を超える年月がかかったと言われています。

アンコールワットの入場は西参道から

それではアンコールワットの建築を見ていきましょう。全体は、4つの塔に囲まれた中央祠堂を3つの回廊が囲むという造りです。「祠堂」とは神々や仏を祀る祠のことで、クメールの寺院建築では搭状に上へ伸びているのが基本です。アンコールワット(ちなみに「ワット」とはお寺の意味)の正面は西側になり、入り口となる十字型テラスへ続く約540mの西参道からその観光は始まります。寺院の一番外側は「環濠(かんごう)」と呼ばれる幅190mの堀に囲まれ、その上に幅9mの西参道が陸橋となって架かっています。この堀には、かつてはワニが飼われていたとか。欄干は蛇神ナーガの胴体がデザインされています。ナーガは東南アジアの寺院ではよく用いられるモチーフですね。この参道を歩いているうちに、否が応でも気分が高まってきます。それでは塔門をくぐって先へ進んでみましょう。(その2に続く)