アンコールワットが西向きの理由は?

「世界遺産アンコールワット徹底解説!」その1からの続きです。西参道を進んで環濠を渡り切ると、目の前にアンコールワット最大の門である、中央西塔門に出ます。ちなみにアンコール遺跡群の多くの寺院は東向きですが、ここアンコールワットは例外で西向きです。いくつか説がありますが、アンコールワットは寺院でもあり王の墓でもあったので、死者が向かう西方を向いているというものが一般的のようです。さて塔門ですが、その名の通り門の上に塔がついたもので、南インドの建築ではお馴染みのもの。この塔門の先端部分が壊れてしまっているのが残念です。かつてはこの門から入れるのは国王だけで、それ以外の者は左右に少し離れてある「象の門」から入ることになっていたそうです。

アンコールワットで出会った地元の少女 アンコールワットで出会った地元の少女

中央西塔門の中は本堂を写真に収めるポイント

この中央西塔門から左右に回廊が伸びているので、先を急がずにこれを見てみましょう。この後も何度も見ることになる「デヴァター」と呼ばれる女神像のレリーフ(浮き彫り)と最初に出会うのがここです。このデヴァターは、宮廷の女官をモデルにしているとか。中央西塔門への階段を上っていくと、正面にアンコールワットの中央祠堂が見えてきます。ちょうど塔門の中は、それがうまくフレームで切り取ったように見え、思わず写真に撮りたくなるポイントになっています。塔門の中では大きく見えた本堂部分ですが、塔門を通って外に出ると、視界が広くなり、今度は逆に遠く見えてしまうから不思議です。

「逆さアンコールワット」の写真を撮るポイントは聖池の前

さて塔門を抜けると、一直線に350mの参道が続いています。この途中には、左右対になった経堂と聖池があります。「経堂」とはその名の通り、本来はお経や書物を収める建物ですが、ここにある建物は、実際には何に使われていたのかは不明だとか。その先にある聖池ですが、現在は右側(南側)の池は枯れてしまっています。左側(北側)の池には水があり、睡蓮の花が咲いています。この池ですが、私たちがよく写真で見る「逆さアンコールワット」の撮影場所ですね。アンコールワットの全景が映るので、ぜひここで写真を撮ってみましょう。朝日が昇る日の出もいいですが、シルエットになり、オレンジ色に染まる夕刻もオススメです。

「狛犬」の起源はライオン?

参道から左右の庭に下りることもできます。時間があったら参道の途中に6つあるテラスから下へ降りてみましょう。また、テラスにある石像も注目です。蛇神ナーガの頭部は、多くの頭を持つコブラの姿で表されています。また「シンハ」と呼ばれるライオンはヒンドゥー教では聖獣で、寺院の守り神として入口の両脇に石像が置かれることがあります。それが日本に伝わって「狛犬」になったんですよ。(その3に続く)