アンコールワット以外にも見どころが多いアンコール遺跡

カンボジアにある世界遺産のアンコール遺跡は、日本人にとってはかなり有名な観光地ではないでしょうか。目玉はもちろんアンコールワットですが、遺跡群のエリアはかなり広く、ほかにも多くの見どころがあります。その代表がまず仏教寺院のバイヨンを中心としたアンコール・トム、そして今回紹介する「小回りコース」の遺跡タ・プロームとプノン・バケンの丘でしょう。「小回りコース」とは、アンコール・トムの東にある勝利の門から出て、タ・プロームなどのいくつかの遺跡をぐるりと回り、最後にアンコール・トムの南大門外にあるプノン・バケンまで戻るというコースです。このコースは、20世紀初頭にこの地を植民地にしていたフランス政府が作ったと言います。「小回り」があるということは、「大回り」もあるということですが、あります(笑)。ただし、それは別記事で紹介しますね。

小回りコースで一番人気は、木の根が寺院を覆う「タ・プローム」 小回りコースで一番人気は、木の根が寺院を覆う「タ・プローム」

アンコール遺跡「小回りコース」を回る時間は?

この「小回りコース」で紹介する遺跡は9か所ですが、大きくてじっくり堪能できるタ・プロームのように見学に1時間以上かかるものもあれば、15分ほどで見学が終わってしまう小さな祠堂だけのものもあり、いろいろ。なので、自分の興味と時間に合わせて回りましょう。トゥクトゥクや車などで回っても全部見ると5時間ぐらいかかりますが、代表的なタ・プロームとバンテアイ・グディ、プノン・バケンの丘だけなら、3時間以上あれば回れます。

勝利の門を出て最初にあるトマノンとチャウ・サイ・テウダ

それでは、アンコール・トムの勝利の門から順番に見ていきましょう。「トマノン」は勝利の門を出て割とすぐの北側にある寺院で、道を挟んで南側にある「チャウ・サイ・テウダ」と対をなして建っています。ともに12世紀前半に王のスールヤヴァルマン2世によって建てられた、小さなヒンドゥー寺院です。コンパクトながらも、塔門やテラス、中央祠堂などのクメール建築の要素は入っており、レリーフも残っています。見学所要時間は、2つ合わせて30分程度でしょうか。ただしツアーなどでは、立ち寄らないことも多いポイントです。

王の死により建設が中止されたタ・ケウ

その先を東へしばらく進むと、道沿いに見えてくるのがピラミッド型の寺院の「タ・ケウ」です。これは10世紀末に建築が始まりましたが、国王のジャヤヴァルマン5世の死により建設が中止されてしまった寺院。そのため、装飾の浮き彫りまでは完成しておらず、石材が露出したままの部分もあります。石材ですが、基部はラテライト、上部が砂岩でできています。ヒンドゥー教でもこれはシヴァ派の寺院ですね。ゆっくり見ると、見学には20、30分かかるでしょう。(その2に続く)