アンコール遺跡の中心部を回る2つのコース

カンボジアにある世界遺産の「アンコール遺跡」ですが、アンコールワット、アンコール・トムという二大見どころの他にも、広い範囲に多くの遺跡が点在しています。その中で、比較的中心部にある遺跡をめぐる定番コースが2つあり、それぞれ「小回りコース」「大見回りコース」と呼ばれています。「小回りコース」はアンコール・トムの東門である勝利の門を出て、時計回りにタ・プロームなどの遺跡をめぐり、アンコール・トムの南大門に近いプノン・バケンまで戻るコースですが、これは別記事『カンボジアの世界遺産「アンコール遺跡」小回りコース』で紹介しましたので、そちらをご参照ください。今回紹介するのはもうひとつの「大回りコース」で、アンコール・トム北門から出て時計回りに8つの見どころを回るという、5時間コースです。

王宮跡に建てられた「プリヤ・カン」

最初に寄る大寺院「プリヤ・カン」は、このコース最大の見どころでしょう。アンコール・トム北門から北東に1.5kmの場所にあり、寺院を取り囲む環濠(お堀)は、東西が800m、南北が700mあります(アンコールワットの約半分の長さ)。もともとこの位置にはアンコール朝の王宮があり、チャンパ王国に征服された王都アンコール奪還の際は激戦地になった所でもあります。戦いに勝利したジャヤヴァルマン7世は、ここにその戦勝記念と父王の供養のために寺院を建立します。それがこのプリヤ・カンで、「聖なる剣」という意味だそうです。

仏教とヒンドゥー教の混合寺院だったが…

ジャヤヴァルマン7世が建立した寺院には有名なバイヨン寺院などがありますが、このプリヤ・カンは仏教とヒンドゥーの神々を一緒に祀る混合寺院でした。中央祠堂には、父王を模して彫らせた観世音菩薩像があったといいます。しかし後に、ヒンドゥー教を信奉するジャヤヴァルマン8世が王位につくと、仏像は破壊されてしまいます。それではプリヤ・カンの中に入ってみましょう。正面口は東口ですが、大回りコースの場合は車は西側につけるので、そこから入ることになります。ただし中を観光した後は東側に抜けて出るので、車は東側に回してもらうといいでしょう。(その2に続く)