ヒマラヤの聖池を模した貯水池にある「ニャック・ポアン」

「世界遺産アンコール遺跡大回りコース」その2からの続きです。プリヤ・カンを出て東へ車で約5分。次に寄るのは、「ニャック・ポアン」と呼ばれる寺院です。周囲を大きなバライ(貯水池)に囲まれた中に、さらにヒマラヤの聖池を模した貯水池があり、その中央の円形の基壇の上に中央祠堂があるという造りです。この中心となる池の東西南北に水、土、火、風を象徴した4つの小池が配されていますが、それを繋ぐ水路はそれぞれ人間、牛、獅子、ゾウの頭部をかたどった石彫の口から水が流れるようになっています。天気が良く、風がない日は水面が水鏡のようになって空を映し、きれいな情景を見せてくれるでしょう。中央祠堂のある島へは、木道を歩いて行けます(その時の条件により、時々閉鎖されることがあります)。

仏教寺院として建てられた「クオル・コー」

ニャック・ポアンのある貯水池と道を挟んである小さな仏教寺院が。クオル・コーです。周壁に囲まれたこの寺院を建造したのは、アンコール・トムの都城を建設した12世紀末の王ジャヤヴァルマン7世。訪れる人は少ない遺跡なので、ゆっくりと見学することができるでしょう。

東塔門を木の根が覆う「タ・ソム」

次の見どころは、東へ車で3分ほどにあるタ・ソムです。これもジャヤヴァルマン7世によるバイヨン様式の寺院で、回廊に囲まれた中央祠堂がある造りです。回廊の四方には、四面仏塔を持つ塔門がありました。ここも、タ・プローム同様、寺院に熱帯の木が茂った所がありますが、特に印象的なのはスポアンの木の根がほぼ覆っている東塔門でしょう。現在の入口は西なので一番奥にありますが、是非、見に行ってくださいね。また、随所にあるデヴァター(女神)の像も必見です。人も少なく、ゆっくりと見ることができますよ。

三層のピラミッド型の「東メボン」

タ・ソムを出て、車は南へ。3分ほどで東メボンへの入口に着きます。これは今までのジャヤヴァルマン7世が築いた寺院よりも1〜2世紀ほど古い、ラージェンドラヴァルマン1世の時代のもので、ヒンドゥー教シヴァ派の寺院です。今では周囲は陸地になっていますが、往時は東バライと呼ばれる大きな貯水池の中に浮かぶようにして造られた人工島の中に建っていたようです。底辺が一辺120mの基壇が三層積み重なった低いピラミッド型で、最上部に塔を持つ5つの祠堂が乗っています。四隅にあるゾウの像が有名ですが、欠損部分もかなり多くなっています。(その4に続く)