シェムリアップ川の源流にある「クバール・スピアン」

カンボジアにある世界遺産「アンコール遺跡」は広い範囲に広がっていますが、今回紹介するのは、アンコーワットやアンコール・トムがあるその中心部から北に50kmほどのエリアにある遺跡です。人気の遺跡バンテアイ・スレイ方面にあるので、それと合わせて観光するのが一般的でしょう。まずはシェムリアップ川の源泉にあたる場所にあるクバール・スピアンです。「クバール」は「川」、「スピアン」は「底」という意味で、川の源流を表しているとか。遺跡は山頂エリアにあるので、麓から30〜40分ほど山道を登ることになります。足元に気をつけ、森林浴をしながら向かいましょう。渓流に沿って歩いて行くと、川の中や両脇に多くの彫刻が見えてきます。川底にあるのはシヴァ神を象徴するリンガで、これにより下流のアンコールへと流れていく水が清められるのだそうです。往復の時間がかかるので、見学には2時間弱をみておいてください。

クメール王朝の発祥の地「プノン・クーレン」

クメール王朝の発祥の地と言われているのが、プノン・クーレンです。ここはジャワの王朝から独立し、クメール王朝を創始したジャヤヴァルマン2世が、802年に即位した問いう聖地です。ここも川底に神像やリンガなどが彫られ、その上を流れることによって川の水が清まるとされています。二段の滝があり、雨季には水かさが増して迫力が出ます。そこから1.5kmほど奥には、岩山を削って作られたという巨大な涅槃仏プリヤ・アントンがあります。これは時代が下った16世記のものです。

発見当時の面影を残す「ベン・メリア」

寺院遺跡ベン・メリアの一番の見どころは、「修復が進んでいない」ことでしょうか。かつては地雷が埋められていたこともあり、観光客に開放されたのが最近で、密林に埋もれていた頃の雰囲気を今も色濃く残しているのです。周囲を取り囲む環濠は、東西900m、南北800m。建てられたのは、11世紀末から12世紀初頭で、寺院の造りがアンコールワットのように三つの回廊が中央祠堂を取り囲んでいることから、「東のアンコール」と呼ばれることも。とにかく熱帯の木が、遺跡を呑み込もうとしている姿はインパクト大です。

郊外観光の現地発ツアーもある

今回紹介した3つの遺跡と、別記事で紹介したバンテアイ・スレイですが、現地発ツアーが出ているので、それに申し込めば効率良く回ることができます。ただし4か所全部回るとツアーでも11時間かかるので、ベン・メリア単独の半日ツアー、あるいはバンテアイ・スレイとの二カ所を回るツアー(所要7時間)を申し込んでもいいでしょう。どちらにせよ、アンコール滞在中、1日は郊外観光に時間をとっておきましょうね。