- 井伊 誠
- カンボジア在住。遺跡以外のカンボジアを旅する本トーマダーの発行人・編集人。王立プノンペン大学外国語研究所にてカンボジア語を学んだ後、人間の暮らしをテーマとして取材活動を開始。お気に入りはカンボジアの広々とした空、ちょっとしつこいカンボジア人のギャグ、バイクでカンボジアの田舎を駆け巡ること、酒の時間。
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トランプ占いをする占い師
占い関係の特集を組んだ雑誌や関連書籍が売れたり、有名占い師がテレビ番組に登場したりと、日本でも占いは一定の人気を保っているようですが、カンボジア人も負けず劣らず占い好きです。結婚の際、占い師に相談して日取りを決めてもらったり、身の回りでよくないことが起こると占い師に見てもらったり、仕事や恋愛、商売などに関する助言をもらったりするため、カンボジアの人たちは占い師のもとへ行くのです。「よく当たる」と評判の占い師のところには、遠路はるばる駆けつけて来る人もいます。
言い伝えによるとワットプノンの建造は1372年だが、現在の寺は1927年に再建されたもの
占い師は特別な場所を設けず、自宅や市場の一画などで客をとることが一般的なようですが、首都プノンペンには占い師だけが集まっている一画があります。プノンペン発祥の地と言われ、プノンペンの観光名所としても名高いワットプノン寺院の南側です。言い伝えによると、ワットプノン寺院は14世紀末、ペンという名の女性がメコン川の川岸に流れ着いた流木のなかに仏像を見つけ、それを祀るため近くの丘に寺を建立したのが始まりだといわれています。信心深い女性ペンにちなんで、寺の建てられた丘はカンボジア語でペンの丘を意味する「プノンペン」と名付けられたのです。寺院内にはその伝説を裏付けるかのように、ペンの像を祀った小さな祠があり、人々の信仰を集めています。
占い師チャクバイさんのところに掲げられた看板。「十二支占いもある」と書かれている
さて、カンボジア式占いです。占い師が集まっている場所は、ワットプノン寺院のすぐ南、ノロドム通りの東側です。日除けのための複数のパラソルが立てられ、手相やトランプのイラストが描かれた看板が掲げられているためわかりやすいと思います。占いは看板にあるとおり、おもに手相とトランプによるもので、料金は時間によって異なりますが、目安としては手相が1万リエル(約288円)、トランプ占いが5000リエル。占い師の中には「運気の上昇」を売りにしている人もいます。「最近、ついていないな」と感じる人は、ワットプノン寺院の観光とあわせて、真剣な表情で占い師の言葉を聞く地元の人たちに混じり、日本ではまず味わえないカンボジア式占いに挑戦してみてはいかがでしょうか。きっとカンボジア旅行のいい思い出になると思います。
■ワットプノン寺院
住所:Sangkat Wat Phnom, Khan Daun Penh, Phnom Penh
時間:7時から18時30分
入場料:1ドル
定休日:無休
アクセス:プノンペン国際空港からタクシーで約30分、7ドル
■占い
住所:Sangkat Wat Phnom, Khan Daun Penh, Phnom Penh
時間:7時から18時(占い師によって異なる)
料金:5000リエルから2万リエル(144円から575円程度)
定休日:無休
備考:本文中の価格・料金は1ドル=4100リエル=115円として筆者が算出。
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/10/29)
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