- 井伊 誠
- カンボジア在住。遺跡以外のカンボジアを旅する本トーマダーの発行人・編集人。王立プノンペン大学外国語研究所にてカンボジア語を学んだ後、人間の暮らしをテーマとして取材活動を開始。お気に入りはカンボジアの広々とした空、ちょっとしつこいカンボジア人のギャグ、バイクでカンボジアの田舎を駆け巡ること、酒の時間。
出発エリアをに変更しました。
ラナタキリ州の州都バンルンにある食堂のアイスミルクコーヒー。ラタナキリ州はカンボジア国産コーヒーの産地のひとつとして知られています
カンボジア産のコーヒーが外国人観光客向けのお土産物として販売されるようになったことで、少しずつこの国がコーヒーの産地として認知されるようになってきたようですが、隣国ベトナムと比べると、カンボジアコーヒーの存在感はまだ薄いのではないでしょうか。カンボジアでは、コーヒーを飲む習慣はフランス植民地時代(1863年から1953年)に定着したといわれ、現在では首都プノンペンやアンコール遺跡群のお膝元の町シェムリアプなどを始め、地方都市でも一般的な飲み物として親しまれています。
カンボジアではミルクコーヒーにして飲む場合、牛乳の代わりにこってりと濃厚な甘味を持つコンデンスミルクを加えて飲みます。ある説によると、コーヒーがフランス領インドシナで飲まれるようになった時、冷蔵技術がまだ十分発達していなかったため、牛乳より保存しやすいコンデンスミルクが使われるようになったといいますが、定かではありません。ココナツ油を加えて焙煎し、風味に深みを出したコーヒーに濃厚なコンデンスミルクを加えたアイスミルクコーヒーは、日本で飲んだらしつこく感じるかもしれませんが、熱帯モンスーンの太陽のもとではすんなり体になじみ、甘みが体の疲れを癒してくれます。
cafe living roomの店内。天井が高く開放感あふれる2階席は、「我が家にいるときのようにくつろいでもらいたい」というオーナーの言葉が具体的な形になっています
とはいえ、コンデンスミルク入りのコーヒーは、私たち日本人にはあまり馴染みがないため、飲みにくく感じる人もいるのではないでしょうか。そこで、コンデンスミルクは苦手だけれど、カンボジア国産のコーヒーを試してみたいという方におすすめしたいお店が、プノンペンにあるcafe living roomです。「人にも地球にもやさしいカフェ」をコンセプトにしたこのお店は、地元で生産された有機栽培の食材にこだわっているだけあって、コーヒーもモンドルキリ州で栽培された有機コーヒーを使っています。「すでに出回っているコーヒーとは違うものを」というオーナーの考えのもと、コーヒー業者に特別に焙煎してもらったオリジナルコーヒーのliving room coffeeは、ラテやカプチーノとして楽しむのにぴったりな味わいに仕上がっています。
cafe living roomの店内で販売されているオリジナルコーヒー。豆は350gで4.5ドル(約517円)、挽いたものは250gで3ドル
cafe living roomのもうひとつのおすすめポイントは、お店で使っている食材の一部を購入できるところです。先に紹介したオリジナルコーヒーは、豆が350gで4.5ドル(約517円)、挽いたものは250gで3ドル、カンボジア産の天然はちみつは1kg10ドルで販売されています。ゆったりとしたソファーに腰を落ち着けて旅の疲れを癒し、ついでにオリジナルのお土産もゲットできる。そんな素敵なカフェで、くつろぎのひとときを過ごしてみませんか。
■cafe living room(カフェリビングルーム)
住所:House No.9, Street 309, Phnom Penh(Street51とNorodom通りの間)
営業時間:7:00〜18:30(火曜から木曜)、7:00〜21:30(金曜〜日曜)
電話:023-726139
定休日:月曜日(ただし2008年以降、変更の予定あり)
おすすめメニュー:ワンプレートメニュー(4ドル)、リビングルームコーヒー(ラテ、カプチーノともに1.5ドル)、チョコレートブラウニー(3ドル)、バナナケーキ(2ドル)など
アクセス:独立記念塔から徒歩約3分。
備考:本文中の価格・料金は1ドル=4100リエル=115円として筆者が算出
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/10/30)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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