- 井伊 誠
- カンボジア在住。遺跡以外のカンボジアを旅する本トーマダーの発行人・編集人。王立プノンペン大学外国語研究所にてカンボジア語を学んだ後、人間の暮らしをテーマとして取材活動を開始。お気に入りはカンボジアの広々とした空、ちょっとしつこいカンボジア人のギャグ、バイクでカンボジアの田舎を駆け巡ること、酒の時間。
出発エリアをに変更しました。
オリンピック市場の布地売場に積み上げられたシルクやコットン
質の高いシルクの産地として徐々に知られるようになってきたカンボジア。世界各地からアンコール遺跡群を目当てに観光客が訪れるシェムリアプ州でも、カンボジアの美しいシルクはお土産物として人気があります。布を買って安い価格でオーダーメイドを楽しむのも旅行者に人気ですが、シェムリアプはすでに書いたとおり、多くの観光客が訪れる「観光地」ですので、値段交渉のしかたにもよりますが、お土産物の価格は他の地域と比べるとやや高いと言えます。そこで、カンボジアのシルクが欲しいけれど、もう少し安く買いたいという方におすすめしたいのが、首都プノンペンのオリンピック市場です。
碁盤の目場に並ぶ布地売場。タイ製のシルクを扱う店もある
1994年に開業したオリンピック市場は、プノンペンのほぼ中心部に位置するオリンピックスタジアムの南にあります。この市場は数多くの衣料品を扱うことで知られ、休みの日には洋服や布地を買い求めに来たカンボジア女性で賑わいます。市場の一階は生活雑貨や食料品売場ですので、布地を買う場合は迷わず二階へ向かいましょう。布地売場は二階の南側に所狭しと集まっています。目移りするほど多くの生地売場が並んでいるため、どこからどう見ればいいのか迷ってしまいますが、各売場の品揃えに大きな違いは見られないため、売場面積が広く、より多くの品を扱うところでいろいろと品定めをしてみるのがいいのではないでしょうか。
ボタンやジッパー、ビーズなどを扱う店。複数の店を回り、オリジナルの組み合わせを考えるのも楽しい
値段は大まかに決まっていますが、最終的な値段は交渉によって決まります。売場によっても若干異なるため、ひとつの目安として、生地販売店スレイオーン(売場番号C1/624-625、電話:012-866560)で聞いた価格をご紹介しますと、カンボジアシルクは1クバンで(3.5メートル)30ドル(約3450円)、カンボジア製コットンは1クバンで10ドル(約1150円)です。生地を買ったら、ついでに売場の南端にある店で、ボタンやジッパーなども買いそろえ、自分だけの一着をつくるオーダーメイドに備えましょう。ボタンの価格はプラスチックボタンが10個で100リエル(約2.8円)から、木のボタンが1個100リエルから、ジッパーはひとつ600リエル(約17円)です。
三階にある仕立て屋さん。大型連休以外は休ますに営業している
素材が揃ったら、階段を上って三階へ向かいましょう。三階には店の前でミシンを並べている仕立て屋さんが数多くあり、ここで洋服のオーダーメイドをすることができるのです。料金は一般的なデザインの服やズボンの場合、一着1万リエル(287円)程度。よそ行きの服をオーダーメイドするには技術に若干不安を感じる仕立て屋さんもいますが、普段着には問題ないレベルですし、数時間から1日で仕上がるので滞在時間のあまり長くない旅行者でも利用できるでしょう。ファッション誌の切り抜きなどを持っていけば、言葉が通じなくとも、さほど苦労することなくオーダーすることができます。自分だけの一着を作りに、プノンペンのオリンピック市場へ行ってみませんか。
オリンピック市場の外観。3階建ての建物で、近いうち、3階部分がリニューアルオープンし、洋服売場がさらに充実する予定
■オリンピック市場
住所:Sangkat Olympic, Kham Chamkar Mon, Phnom Penh
営業時間:7:30〜17:00(販売店によって若干異なる)
定休:なし(ただしカンボジア正月=4月や中国正月=2月などの大型連休の際は休み)
アクセス:オリンピックスタジアムから徒歩約5分
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2007/11/12)
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