- 井伊 誠
- カンボジア在住。遺跡以外のカンボジアを旅する本トーマダーの発行人・編集人。王立プノンペン大学外国語研究所にてカンボジア語を学んだ後、人間の暮らしをテーマとして取材活動を開始。お気に入りはカンボジアの広々とした空、ちょっとしつこいカンボジア人のギャグ、バイクでカンボジアの田舎を駆け巡ること、酒の時間。
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揚げたての揚げバナナ。あつあつを注文するもよし、すこし冷めて食べやすくなったものを買うもよし。すこし冷めたものでも衣はさくさくしているものが多い
カンボジアにおける多様なバナナの楽しみ方の中から今回は、バナナの味わい方をご紹介したいと思います。外側はさっくりバリパリ、中身はとろーりと甘いカンボジアの定番おやつ「揚げバナナ」です。タイやベトナム、マレーシアなどを旅行されたことのある方はすでになじみがあるかもしれませんが、こちらカンボジアでも揚げバナナは定番のおやつとして日常的に親しまれているのです。おすすめポイントはなんと言っても「安くておいしく、手軽に味わえる」ということです。
プノンペンの住宅街にある揚げバナナの屋台。ここは毎日、昼過ぎから「開店」する
プノンペンの場合、値段は一本500リエル程度(約13円)ですし、路上の屋台や市場のなかの食堂街、デザート売り場周辺などで比較的簡単に見つけることができます。そしてもうひとつ、バナナの「健康力」を忘れてはいけません。赤ワインや緑茶などに多く含まれるポリフェノールには、強い抗酸化作用があり、活性酸素を取り除くと言われていますが、実はバナナにも含まれているのです。さらに免疫力を高める成分も含まれており、その成分は加熱しても変化せず、酸やアルカリにも強いことがわかっています。
衣をつけたバナナを揚げているところ。かりかりに揚がるまで数分の辛抱
おいしさの秘密にも迫りましょう。カンボジアの揚げバナナのおいしさは、衣に秘密が隠されています。というのも、衣には米を主食とする国らしく、米粉が使われているのです。だから揚げたときの口当たりが軽くてさっくり! さらに衣にはココナツとゴマが加えられているため、豊かな自然の甘みと香ばしさが倍増します。加熱によってバナナ本体の甘みも増すため、口の中に入れてさくっと噛むと、顔がほころぶこと間違いなし。砂糖を添加しているわけではないので、不自然なくどい甘みはありません。
揚げバナナの衣(ボールの中)と使用するバナナ。バナナはカンボジア語で「チェークナンワー」と呼ばれる種類のもの
理由はわかりませんが、カンボジアにはデザートを提供するレストランはほとんどなく、カンボジアのデザートといえば市場の甘味屋台か甘味専門の屋台になるようです。揚げバナナも同様で、個人的な経験では揚げバナナを扱うレストランを見かけたことはありません。なので、揚げバナナを味わうには市場を目指しましょう! アクセスの面では、シェムリアップなら観光客が多く訪れるオールドマーケット、プノンペンならセントラルマーケットやロシアンマーケットがおすすめです。プノンペンの川沿いを散歩したり住宅街を歩いてみたいという方なら、カンダールマーケットやバンケンコンマーケットもいいでしょう。安くておいしく体にもいい揚げバナナをカンボジアで味わってみませんか?
バナナはラップのような薄いビニールで包んでから板で叩いて平らにし、衣をつけて揚げる
■揚げバナナ(チェークチアン)
食べられるところ:おもな市場の食堂街・デザート売り場、路上の屋台など。
価格:1本500リエル(約13円)程度
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2009/02/16)
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