- 井伊 誠
- カンボジア在住。遺跡以外のカンボジアを旅する本トーマダーの発行人・編集人。王立プノンペン大学外国語研究所にてカンボジア語を学んだ後、人間の暮らしをテーマとして取材活動を開始。お気に入りはカンボジアの広々とした空、ちょっとしつこいカンボジア人のギャグ、バイクでカンボジアの田舎を駆け巡ること、酒の時間。
出発エリアをに変更しました。
ケップの丘の上に立つバンガローのテラスから海を見下ろす。広々としたテラスにはハンモックやソファが備え付けられているので、お茶やお酒を楽しみながらくつろげる
カンボジアでビーチリゾートと言えば、タイランド湾に面した南部のシアヌークビルが有名ですが、もうひとつ、外国人観光客にはまだあまり知られていませんが、地元の人々には人気の隠れたビーチリゾートがあるのです。それはケップ。この町はフランス植民地時代、フランス人たちによってリゾート地として開発されたところで、海とそれを臨む小高い丘が織りなす自然美が魅力です。丘の上にはリゾート気分を盛り上げるおしゃれなバンガローが建ち、旅行く人たちを温かく迎え入れてくれます。
ケップのビーチ。このビーチと空の青、丘の熱帯樹の緑が織りなすコントラストがケップの魅力
じつはこのケップ、カンボジアの前国王を魅了したことでも知られています。ビーチを臨むケップの丘は、シアヌーク前国王が最も気に入っていた場所の一つとしても有名で、現在も前国王が建てた別荘の跡(内戦で壊滅的な傷を受けた)が残っているのです。シアヌーク前国王は1970年3月のクーデターによって国家元首を解任されるまで、外国から来た要人をケップでもてなしたと言われています。そんな歴史のあるケップですが、現在では美しい自然に加え、新鮮なシーフードが味わえる地として、地元の人たちやカンボジア在住の外国人たちを引きつけているのです。
海沿いに連なるバンガローでカニを食べよう! バンガローに陣取ると注文を取りにきてくれる。飲物(ビール、ソフトドリンク)も扱う
ケップでシーフードと言えば、ビーチ沿いの遊歩道に建っている大きなカニの像が示すとおり、何と言ってもカニです。海沿いなので新鮮なのはもちろんのこと、安くておいしい! 海沿いに設けられた風通しのいいバンガローで寛ぎながら、カニ料理を食べるのがカンボジア風の楽しみ方です。週末になると、プノンペンに住むシーフード好きのカンボジア人たちもケップのカニで舌鼓を打ちにやってきます。さわやかな潮風に吹かれながら食べる新鮮なカニの味は別格です。
海沿いの遊歩道に置かれたカニの像と一緒に記念撮影を楽しむのもまたよし
ケップに数日滞在するのであれば、丘の上のバンガローホテルでのんびり過ごすのがいいでしょう。熱帯樹を植えた広い庭を持つバンガローが複数営まれており、テラスからはくっきりとした青空の下に広がる大洋を眺めることができます。バンガローにはレストランも付属しているので、丘の上でシーフードを味わうことも可能です。前国王が愛した保養地ケップでシーフードと美しい自然に囲まれながら優雅な時間を過ごしてみませんか?
■ケップ
場所:Kep
アクセス:プノンペンからケップまではバスで約4時間。日帰り可能な距離だが1泊したほうがゆっくりくつろげる。
宿情報:バンガローは一泊15ドル程度から。週末やカンボジアの連休のときは部屋がいっぱいになることが多いため、事前の予約が望ましい。
おもな宿のホームページ:
Kep Lodge:http://www.keplodge.com/
Botanica:http://www.kep-botanica.com/
Vanna Bungalows:http://www.vannabungalows.com/
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2009/07/16)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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