- 井伊 誠
- カンボジア在住。遺跡以外のカンボジアを旅する本トーマダーの発行人・編集人。王立プノンペン大学外国語研究所にてカンボジア語を学んだ後、人間の暮らしをテーマとして取材活動を開始。お気に入りはカンボジアの広々とした空、ちょっとしつこいカンボジア人のギャグ、バイクでカンボジアの田舎を駆け巡ること、酒の時間。
出発エリアをに変更しました。
焼き上がったヌムチーチャーイ。香ばしい焦げと生地のもちもち感の対照的な味わいが絶妙。
旅先でその土地のものをいろいろと食べ歩くのは楽しいもの。名所や旧跡を巡りながら、その土地の食材を使ったさまざまな食に舌鼓を打つのは旅の醍醐味のひとつでしょう。さて、ではカンボジアではどんな食べ物が味わえるのかな、とガイドブックをぱらぱらめくると、おいしそうなものが写真付きでたくさん紹介されていますが、ちょっと小腹が空いたというときに嬉しい軽食やおやつがあまり載っていない、なんていう不満を抱いたことはありませんか? いやいや、あるんです、カンボジアにも! それはずばり「もちもちニラまんじゅう」です。
プノンペン市内の住宅地を周りながらヌムチーチャーイを売る屋台。
もちもちニラまんじゅうというのは、私が勝手に名付けたもので、カンボジア語では「ヌムチーチャーイ」 といいます。チーチャーイというのはニラのこと。このおやつは、米を主食とする国カンボジアらしく、米粉で作った生地でたっぷりのニラを包み、鉄板でこんがりと焼き上げたお焼きのような食べ物です。米粉の生地なので、まわりはぷるぷるもっちり! こんがりと香ばしく焼き色をつけてもらったら、お好みでピリ辛でほんのり甘いチリソースや魚醤をかけて、がぶりといきましょう。生地のもちもちぷるぷるとした食感に「襲われた」後、間髪入れずに豊かなニラの香りが嬉しい「奇襲」をしかけてきます。もうニラ好きにはたまりません。
好みでチリソースや魚醤をかけてもらおう。屋台のすぐ横に調味料が備え付けてあるので指を指して注文できる。
ヌムチーチャーイは、プノンペンやシェムリアップなどの町なら、路上の屋台や市場のなかで食べることができます。屋台・市場を問わず、鉄板の上でうっすらとニラの緑が透けて見える円形の白い餅のようなものを焼いているのですぐにそれだとわかります。その場で皿に盛ってもらってアツアツを食べるのもよし、お持ち帰りにしてゆっくり味わうもよし。ニラがたっぷり入った健康的なおやつで、値段は1つ500リエルほど(約12円) と財布にも嬉しいから、思わず顔がほころんでしまいますよね。
鉄板の上で焼かれるのを待つヌムチーチャーイ。
注文の際に言葉の問題を気にする方がいるかもしれませんが、一つ欲しければ人差し指を立てて「1」と見せれば言葉なんていらずに注文できます。また、プノンペンのロシアンマーケットやセントラルマーケット、シェムリアップのオールドマーケットなどなら、たいてい簡単な英語が通じるので安心でしょう。わからなければ筆談でもOKです。おいしくて安いヌムチーチャーイをぜひ味わってみませんか?
■ヌムチーチャーイ
買える場所:プノンペン市内のおもな市場や路上の屋台
価格:1つ500リエル(約12円)程度
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2009/08/27)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
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