「国内で最も神秘的な村」と言われる陝西省韓城の村

2017年11月17日、中国のニュースサイト「今日頭条(今日のトップニュース)」で「国内で最も神秘的な古い村(中略)黄河に隣接しているのに、一度も氾濫にあったことがない村」と言う記事を見つけました。その古い村とは、陝西省東部にある韓城の党家村です。2017年10月に党家村に行って来たばかりだったので、記事がとっても新鮮でした。韓城は、黄河に近く、黄河が大きく湾曲するところにある都市です。韓城中心部よりさらに黄河に近い党家村が一度も黄河の氾濫にあったことがない村だったなんて、本当に意外です。

120軒以上の清代の民居が残っていると言われる党家村の通り 120軒以上の清代の民居が残っていると言われる党家村の通り

「暴れ龍」と呼ばれた黄河とは?

中国を流れる大河と言えば、長江と黄河です。黄河は、チベット高原を源とし、渤海湾に注ぐまで全長5464キロ! 青海省、甘粛省、内モンゴル自治区、陝西省、山西省、河南省、山東省を流れる大河です。古くから「暴れ龍」と呼ばれるほど、氾濫が多いことで知られています。そのため「黄河を制するものは、中国を制す」とまで言われてきました。氾濫は、夏の大雨が洪水をおこし、洪水によって、乾いた黄土高原の泥が黄河に流れ込み、川底を浅くするためです。歴史的に氾濫を繰り返してきた黄河と党家村は、わずか3キロしか離れていません。でも、氾濫の影響を一度も受けていないそうです。これは、すごい! 党家村に実際に行った人には、信じがたい事実です。

完全な形で残っており、むだに観光地化されていないところがいい 完全な形で残っており、むだに観光地化されていないところがいい

古鎮にしては珍しい党家村がある場所

というのも党家村は、谷底にあるような村です。黄土高原の高台の上から党家村を見下ろすと、隠れ里のような雰囲気すら漂っていました。今まで訪れたことがある古鎮は、平地かやや高い位置にあるところが多かったので、低地にある党家村は、珍しい古鎮でした。黄河は、安定期もありますが、北宋時代の1034年以降は、10年おきに河道が変るほど、大きな氾濫があったと記録されています。1150年以降は洪水が頻発し、1855年の大洪水では、それまで注ぎこんでいた黄海から渤海に変わったとされています。党家村ができた頃の黄河の河道と現在の河道が違っていて、かつては黄河との距離が3キロではなかったかもしれません。しかし、こんなに低地にある党家村が黄河の氾濫被害を一度も受けていないと言うのは、奇跡に思えます。

入場口がある高台から見た党家村の景色 入場口がある高台から見た党家村の景色

世界が注目する党家村の特徴

現在、党家村は、党姓と賈姓の住人、約1400人が住んでいます。元代の至順2(1333)年に建設が始まったと言われ、約700年もの歴史があります。洪水被害を受けていないので、120軒以上もの清代の建築が完全な形で保存されています。見張り台の役目を果たした「看家楼」、風水塔の役目を果たした「文星閣」をはじめ、賈氏や党氏の邸宅の立派な門楼など、何を見ても保存状態が良いです。党家村が、日本や欧米の建築家から「世界古民居の宝」や「東洋人類文明の生きた化石」と呼ばれるのも納得です。党家村に、清代のそのままの姿で残った伝統建築を見に行きませんか!

党家村の入り口に近いところにある門楼。商業と金融業で成功した党家と賈家が住んだ豊かな村なので、凝った装飾が見られる 党家村の入り口に近いところにある門楼。商業と金融業で成功した党家と賈家が住んだ豊かな村なので、凝った装飾が見られる