夜中の1時に中間地点へ到着……

九寨溝のツアーを離れ、年寄り二人でタクシーに乗り込んだときの心細さはいかばかりだったでしょう。我が親のことながら、気の毒で胸が詰まります。当然ドライバーは日本語も英語もダメ。しかも茂県(もうけん)の小さな山あいの村に到着したのは夜中の1時!ところが、そんな時間なのに、外国人が来たことを知った村人たちがぞろぞろと出てきて、なにをするでもなくタクシーを取り囲むのです。両親も恐ろしかったでしょうが、村人たちのほうも、真っ暗闇の中からタクシーでやってきたのが、生まれて初めて見る外国人だなんて、大事件だったことでしょうね。

両親の旅行人生最大のピンチ!中国、九寨溝でパスポートを盗難されて(その2) 両親の旅行人生最大のピンチ!中国、九寨溝でパスポートを盗難されて(その2)

心細い夜を過ごし、通訳さん登場

ホテルは食事もなく、どうにかありつけたのはインスタントラーメンが二人で一人前だけ。お風呂に入ろうとすると、出てくるの鉄錆のような真っ赤な水。エアコンはガタガタと一晩中ナゾの爆音……海外の田舎ではままあることですが、ただでさえ盗難で落ち込んでいた両親には、こうしたことがいちいちダメージだったようです。翌朝、成都から飛んできた日本語通訳の若い女性が現れたときには心底ホッとしたようでした。ところがこの女性も、日本語がぺらぺらというわけではなく、むしろかなりヘタだったのでした。おそらくプロの通訳ではなく、日本語を勉強中の学生上がりといったレベルの人なのでしょう。それでも、二人きりよりははるかにマシです。

とんでもないタクシーに乗ってしまいました!

こうして3人になり、またタクシーで一路、重慶へ。ドライバーはそもそも高速道路の運転に慣れていないようで、なんと高速道路上でスピン!かと思えば、カーブでいきなり後部座席のドアが全開!まるで映画の中でしか起こらないような冒険となったのです。命の危険にさらされ、必死でドアを押さえて通訳の女性に「死んじゃうー!なんとかして!」と言っても、彼女は「大丈夫ヨ、ここで死んでもたったの4人だけヨ。戦争だったらみんな死ぬ。戦争怖いヨ!」さすが大陸的(?)、悠然とそう答えるのでした。(その3に続く)