中国の旅行シーズンになると必ず見られる二つのニュース

旧正月、GW、国慶節など、中国人が大移動するシーズンとなると、必ずと言ってもいいほどニュースで取り上げられる映像が二つあります。一つは、身動きとれないほど観光客でいっぱいになった万里の長城です。もう一つは、観光地の交通渋滞です。世界遺産の九寨溝などの四川省の交通渋滞が取り上げられることが多いのですが、それには、やはり理由があります。中国西南部に位置する四川省は山が多い土地で、九寨溝などのチベット族が多く住む地方の観光地は、狭い道路を走っていきます。旅行シーズンともなると、一気に車やバスが増え、事故も増えるので、ひどい交通渋滞は、もはや四川省の風物詩です。この渋滞が始まると、日本では見られない珍しい光景に遭遇します。

四川省北部の人気観光地、セルタ。GWや夏休みシーズンは、観光客で混みあう 四川省北部の人気観光地、セルタ。GWや夏休みシーズンは、観光客で混みあう

いつのまにやら、どこからともなく現れる人々

「あれっ、いったいどこからやって来たの?」と周辺に民家がないようなところでも、いつのまにか物売りがやって来ています。手に持ったかごや背中のしょいこには、ゆで卵、中国人がよく食べるひまわりの種、ミネラルウオーターが入っており、車やバスの間をにわか物売りになった近隣の住人が行ったり来たりしています。たまたま道路沿いに民家が並んでいるような場所で交通渋滞にあっても同じです。住人が、車やバスの間を動き回り、何かしらものを売りにきます。また、「厠所(トイレ)1元」の看板も上がり、トイレを有料で使わせてくれる民家もあります。

交通渋滞がますますひどくなっている理由

四川省北部の康定やマルカム付近は、GWや紅葉のシーズンになると大渋滞頻発地帯です。私は、1日に3回の交通事故渋滞にあってしまったことがあります。順調に行けば、午後6時にはとっくに成都のお宿についているはずが、バスターミナルに到着したのは、午前様。自家用車が少なかった時代と違い、今は小さな事故でも、保険会社の人がやってきて写真を撮るまで現場を動かせません。事故のたびに2時間近くバスが動かないなんてこともしょっちゅうです。止まったままのバスの中で飲み物や食べ物がなくなっても、物売りが行ったり来たりしているので、そこは問題なしです。さて、物売りが売っている商品の中で、とっても人気があるものはなんだと思います?

長い渋滞の時は、外にでられることもある。いつ、出発するかわからないので、自分のバスから離れるのは危険! 長い渋滞の時は、外にでられることもある。いつ、出発するかわからないので、自分のバスから離れるのは危険!

渋滞中、中国人が旅行者に一番よく売れる商品とは?

それは、カップラーメン! 物売りは、お湯を入れたポットも持っているので、買ったその場で作ってもらえますよ。カップラーメンは、定番の「康師傅」の牛肉麺あたりが多いようです。いつ動き出すか予測不可能な交通渋滞の中、食べられる時に食べておこうと思うのか、カップラーメンは中国人旅行者に人気があります。路上では、忙しそうにラーメンの準備をする物売りの姿が目につきます。旅行者には、迷惑千万の大渋滞ですが、近隣住民にとっては、小さなビジネスチャンス! とにかく四川省北部では、渋滞はよくあること。運悪く遇ってしまったとしても、水や食料はいくらでも手に入ります。気長に動き出すのを待ちましょう!

駅やバスターミナルで売られている定番のカップラーメン。康師傅の牛肉麺は、赤いカップが目印 駅やバスターミナルで売られている定番のカップラーメン。康師傅の牛肉麺は、赤いカップが目印