涼しさなら村人の太鼓判付き! 河北省蔚県の暖泉

「夏でもエアコンなんて、全く必要ないよ。ここは本当に涼しいから」。村人のこの言葉は、100%本当です。北京から西に行き、河北省に入り、さらに西に進むと、山西省との境界に近い蔚県に暖泉(ヌアンチュエン)と呼ばれる古い村があります。私が訪れたのは、10月末だというのに、身を切るような寒さでした。帰りのバスの中で村びとに言われた「夏は本当に涼しい」というのも納得です。元代に建設が始まった暖泉は、山西省と北京を結ぶ交通の要衝にあります。今は、メインの幹線道路から外れてしまい、ひなびた古鎮になっていますが、明清代には、商業の中心地として栄えていた古い村です。

年間を通して、北京よりは気温が5度ほど低いだけあって、夏は、本当に涼しい 年間を通して、北京よりは気温が5度ほど低いだけあって、夏は、本当に涼しい

明清代の建物が残っている暖泉村を歩こう!

メインの幹線道路から外れてしまい、寂れてしまったのが幸いと言おうか、暖泉には明清代の民家が数多く残っています。そのため、中国映画やドラマのロケ地になることがよくあります。香川照之さんが出演し、2000年のカンヌ映画祭でグランプリをとった「鬼が来た!」も暖泉で撮影されました。城壁に囲まれた村には、「西古堡(シーグーバオ)」や「北官堡(ベイグアンバオ)」と呼ばれる砦にも見える門が残っています。北官堡から中に入ると、道幅も狭いメインストリート沿いには、乾燥した地方特有の全体が黄土色に見える古民家が残っています。農家と特産の豆腐を作っている豆腐坊以外に何も見当たらない通りは、現代の通りとは思えないほど古めかしさが漂っています。

変に観光地化されていない分、修復が進んでいません。そこが古鎮好きにはおすすめです 変に観光地化されていない分、修復が進んでいません。そこが古鎮好きにはおすすめです

夏でも涼しい暖泉が、「暖泉」と呼ばれる理由

さて、「暖泉」の由来ですが、夏でも涼しい場所なのに、温暖そうな気候を連想させる暖泉という地名がついています。古鎮の中にある泉が、一年を通して水温が一定なので暖泉と呼ばれ、これが村の名前になったそうです。2016年頃、日本のワイドショー番組で何度か暖泉が取り上げられました。どれも暖泉の奇習を紹介する内容でした。この奇習は、「打樹花(ダーシューホア)」です。ワイドショーでは花火と紹介していましたが、花火とは違います。真っ赤に煮えたぎる鉄の溶液を特製のしゃもじで古城の壁にまき散らし、打ち付けることです。暗闇で、赤い線を描いた溶液が花のように見えるので打樹花なのです。もともと打樹花は、旧暦の1月15日に行われるものでした。現在は、ショー化してるので、ほぼ、毎晩、見られるようになっています。

暖泉村の路地に入ると、特産の凍り豆腐を作っている様子が見られますよ 暖泉村の路地に入ると、特産の凍り豆腐を作っている様子が見られますよ

暖泉へは、北京より河北省張家口から行くのがおすすめ!

暖泉村へは、北京北バスターミナルからまずは、蔚県行きのバスに乗ります。毎時1本程度ありますが、何しろ蔚県まで片道4時間、そこでバスを乗り換えて暖泉までさらに30分。なのでやはり河北省の張家口から行くのがオススメです。張家口からのバスは、20分に1本程度あり、古鎮までは片道3時間です。初めての中国や北京で暖泉村をプラスするのは、ハードルが高いですが、何度か中国旅行をしたことがある人なら、大丈夫! 夏休みは、日本の夏とも北京の夏とも異なる、ひんやり涼しい暖泉で、ここでしか見られない打樹花を見学してみませんか!

蔚県の中心部にある鼓楼から暖泉までのバスがでています。約30分ほどで暖泉の到着です 蔚県の中心部にある鼓楼から暖泉までのバスがでています。約30分ほどで暖泉の到着です