北京から120キロ離れた沙城駅

沙城駅で列車から降りると、妙にスコンと澄み切った感じと青い空。北京から鉄道とバスで片道約2時間30分も離れると、空も空気も何もかもが違います。なんだかシルクロードにやってきたような錯覚すら起きるのですが、沙城は、北京の西北に位置する河北省懐来県にある小さな町です。懐来県は、北京から約120キロ、張家口から約87キロ離れたところにあります。北京と比べて気温が3〜5度低く、カラッと乾いた気候なので冬は身を切られるように寒いですが、夏は涼しく過ごしやすいところです。沙城から下花園行きのバスに約20分も乗れば、城壁に囲まれた鶏鳴古城が見えてきます。

完全に近い形で残っている鶏鳴古城。巨大な城壁に鶏鳴古城の重要さがわかる 完全に近い形で残っている鶏鳴古城。巨大な城壁に鶏鳴古城の重要さがわかる

チンギス・ハンの時代に始まった鶏鳴古城

国道110号線沿いに見える立派な城壁が、鶏鳴古城です。鶏鳴驛古城とも呼ばれており、名前にある漢字の「驛(イー)」とは、宿場町のことです。鶏鳴古城の歴史は、1219年チンギス・ハンが西域遠征の際、この地を通り、宿場町としたことが始まりです。明代の数回の拡張と修復工事がなされ、周囲1891.8メートルの城壁もできました。現在、残っている鶏鳴古城は、明代の宿場町の遺構です。東門から中に入ると、乾いた農村のようでもあり、タイムスリップしたかのような風景が待っています。

城壁の上から見た景色。近代的な建物が全くない。右手に見えるのが鶏鳴山 城壁の上から見た景色。近代的な建物が全くない。右手に見えるのが鶏鳴山

鶏鳴古城の城壁と内部と歩いてみよう!

まずは、城壁に登って、くるっと一周してみましょう。周辺にほぼ建物がなく、国道沿いの食堂の他は、古城の北側に名前の由来になった鶏鳴山があるぐらいです。城壁の内部には、明清代の四合院造りの家屋が残っています。その中でも、ぜひチェックしたいのは、賀家大院です。欧米列強が北京を侵略した時、北京から逃れて来た慈禧太后と光緒帝が鶏鳴古城に宿をとったという記録が残っています。賀家大院は、日本では西太后の名前で知られる慈禧太后が泊まったと言われる家です。また、清代の順治8(1651)年に建てられた泰山廟は、既に350年以上の歴史がありますが、中には、見事な壁画が残っており、こちらも必見です。

現在でも色鮮やかな泰山廟の壁画 現在でも色鮮やかな泰山廟の壁画

北京から鶏鳴古城への行き方

鶏鳴古城見学は、日陰のない城壁の上や古城内部を歩きまわると言うものですが、からっとしているので真夏でも大丈夫! 90年代の新疆ウイグル自治区や甘粛省を知っている人なら、乾燥して、どこかガランとした鶏鳴古城の雰囲気に90年代のシルクロードを思い起こすかもしれません。鶏鳴古城への行き方は、いくつかありますが、2018年現在、所要時間が少しずつ短縮されている鉄道がおすすめ。北京駅7時12分発のY535次列車か北京西駅10時24分発のK617次列車が便利です。沙城駅からは徒歩10分ほどの長城北路と董存瑞西街路の交差点発の下花園行きのバスに乗れば、鶏鳴古城の真ん前に止まります。2018年の夏、北京に行くのなら、1日は、過ごしやすい鶏鳴古城見学にあててみませんか!

うら寂しい雰囲気の沙城駅。古びて寂しい感じが20年以上前の新疆や甘粛に似ている うら寂しい雰囲気の沙城駅。古びて寂しい感じが20年以上前の新疆や甘粛に似ている