page top

出発エリアをに変更しました。

海外旅行の検索・比較サイト|エイビーロード
AB-ROAD
たびナレ 旅に行きたくなる!海外旅行に役立つナレッジ満載
RSS

役立つ海外旅行ナレッジ

旅順軍港攻防戦終結の舞台はこんなに小さな建物。旅順口区の「水師営会見所」で日露戦争の行方を思う


掲載日:2020/06/07 テーマ:歴史 行き先: 中国 / 旅順

タグ: 一度は行きたい 建築 歴史


世界史の授業で習った戦争の舞台がそこここにある旅順

驚きの地味な外観 驚きの地味な外観

大連市旅順口区は、日露戦争関連の遺構が数多く残る地区です。歴史好きな旅行者なら興味深い場所がいっぱいで、たっぷり時間をとってまわりたいですよね。その中でも、日露戦争の行方を占う重要地であるにもかかわらず、とても“地味”な観光スポットがあります。「水師営(すいしえい)会見所」は、ロシアの旅順要塞司令官ステッセル(ステッセリとも)中将と、日本の第三軍司令官、乃木希典大将が会見を行なった場所なのです。

115年前、前時代的な戦争の形を感じ取れる場所

見学者が少なく、スマホを見ていた花文字職人さん 見学者が少なく、スマホを見ていた花文字職人さん

水師営とは、もともとは清朝時代の水軍の駐屯地という意味ですが、現在では旅順軍港から5キロほど北上したところにある、この「水師営会見所」を指します。1904年12月、両軍に甚大な数の死者を出しつつも旅順の203高地が陥落すると、明けて1905年1月1日にステッセル中将から降伏が申し入れられます。これを受けて、1月5日にここ水師営で乃木・ステッセルの会見が実現します。この会見で、旅順軍港攻防戦の停戦条約が結ばれました。

立派な建物かと思いきや、意外にもボロボロ……?

解説文は中国語です 解説文は中国語です

そのような予備知識を持って見学に向かうと、「本当にここがその舞台なの……?」と戸惑うかもしれません。平屋造りの、ふた部屋からなる建物はとてもちっぽけで地味な印象。当時は農家、もしくは簡易な野戦病院のように使われていた建物だったともいわれています。外も中も漆喰の壁がはげ落ち、草葺きの屋根も木の窓も朽ちるに任せているような、なんともボロボロな建物です。見方によってはたしかに“歴史の舞台”の風格を感じるかもしれません。

中国人と日本人のツアーが主なお客さんだそうです

爾霊山記念碑の写真も 爾霊山記念碑の写真も

しかしさらに驚くのは、そんなある種の風格をたたえた建物が、実はオリジナルではなく、当時の資料を基に1996年に建てられたものだということ!ボロボロさをあえて表現しているのだとしたら、たいした再現力です。入場料40元(2020年現在、約610円)とちょっと高めですが、常駐するスタッフが日本語で説明をしてくれます。展示は中国語(一部英語も)だけなので、日本語での説明は助かります。ここを訪れる外国人はほとんどが日本人だそうです。

歴史のワンシーン、その舞台がここでした

ステッセルの葦毛の愛馬は、やはり馬好きの乃木大将の元へ ステッセルの葦毛の愛馬は、やはり馬好きの乃木大将の元へ

小さな建物ですが、ぎっしりと資料写真が展示されています。第二回旅順軍港閉塞作戦の指揮にあたる広瀬武夫少佐、死屍累々の203高地、そしてここ水師営会見所で撮られた両国代表の集合写真など……、すでに見たことのある写真も、現場で見ると、新たな感慨があります。解説員の女性が「この集合写真のロシア兵たちは、ちょっと酔っ払っているみたいに見えませんか?写真を撮る前に、全員で和やかに食事をして、ワインもたくさん飲んだんですよ。」と教えてくれました。また、馬好きのステッセルが、降伏の証として愛馬を乃木に贈り、日露戦争後に乃木がその馬に「壽(す)号」と名付けて大事にしたというエピソードも、馬の写真とともに紹介してくれました。

日露戦争について、もっと知りたくなるかもしれません

旅順口では、あの湾口を巡って攻防したのです 旅順口では、あの湾口を巡って攻防したのです

私が訪れた時には見学者がほとんどいませんでしたが、団体観光バスも着くそうです。お土産として満鉄マーク入りの食器やバッジなどを売っています。売り上げがここの維持費になるとのことでしたが、少し値段はお高めです。こぢんまりした建物ですが、日露両国が多くの人命を奪いながら、中国の地で行なった大きな戦争について考えられるスポットです。

※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2020/06/07)

※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
 提供情報の真実性、合法性、安全性などについては、ご自身の責任において事前に確認して利用してください。
エイビーマガジンについて

 

キーワードで記事検索

検索