四川省の富順名物の「豆花飯(トゥホアファン)」とは?

ふわっとやわらかい豆腐にラー油をたっぷりつけて、ごはんと一緒に食べる「豆花飯」が大好きです。この豆花飯は、四川省南部の富順県名物料理です。省都の成都でも豆花飯の人気は高く、「富順豆花」の看板をかかげた専門店は、年々増えていっています。わざわざ富順に行かなくても成都で味わえますが、本場の富順豆花を求めて村の風景も美しい仙市古鎮に行ってきました。仙市古鎮は、成都から高速バスで約3時間の自貢市に属する県にあり、富順県のお隣です。豆腐料理が名物になっている地方は、安徽省、四川省をはじめ中国各地にありますが、中でも富順の豆花は、特別です。

どんどん勢力を拡大中の「富順豆花」。バスターミナル周辺に行くと特に多い どんどん勢力を拡大中の「富順豆花」。バスターミナル周辺に行くと特に多い

中国で言い伝えられている豆腐の発明王

中国では豆腐を発明したのは、漢王朝を開いた劉邦の孫で淮南王に封ぜられた劉安だと言われています。その劉安から豆腐造りを学んだ弟子のひとりが富順にやってきて豆腐造り始めたという言い伝えがあります。富順の豆腐は、劉安の直伝と言ってもいいぐらいです。そのため、他の地方の名物豆腐と比べて特別なのです。また、豆腐造りには、塩に含まれている凝固剤の役目を果たす成分が欠かせません。自貢は、「塩都」と呼ばれた四川省有数の塩の産地です。仙市古鎮は、自貢からわずか11キロと近く、塩を運搬するための船が停まる埠頭がありました。仙市古鎮、富順、自貢はそれぞれ深い関係がある町です。

仙市古鎮は、「仙灘」と呼ばれていた。仙市になったのは中華民国の時代 仙市古鎮は、「仙灘」と呼ばれていた。仙市になったのは中華民国の時代

塩で栄えた仙市古鎮に行ってみました!

自貢駅から瓦市行きのバスに乗ると、わずか30分ほどで仙市古鎮の入り口に到着です。1400年の歴史があると言われ、塩の運送業で栄えた古鎮です。仙市古鎮と書かれた石碑が立っているところから中に入ると、石畳沿いに木造の商店街が広がっていました。規模も大きく、かつての繁栄ぶりが目に浮かぶようです。中国では、時代によっては塩は政府の専売品でした。それぐらい重要なものだったので塩業に関係がある古鎮は、他の古鎮よりも立派なところが多いのですが、仙市古鎮もまさにそうです。商店街のはずれにある南華宮や天上宮は、明代末期から清代初頭の建築物ですが、柱や梁の彫がみごとで見ごたえがありました。

埠頭に向かって、商店街が続いている。土産物屋などもなく、観光客も少ないので、のんびりできる 埠頭に向かって、商店街が続いている。土産物屋などもなく、観光客も少ないので、のんびりできる

おいしくて箸がとまらなくなる?豆花飯を食べてみよう!

さて、お昼ご飯は、豆花飯です。あいにく古鎮内にはなかったので、古鎮の入り口にある小さな食堂で食べました。豆花飯は、名物ですが、一番安上がりなごはんです。豆花飯の食堂と言えば、古くてきれいじゃないところばかり。私が行ったのもそんな食堂でした。豆花の固さは、お店によって多少違いがありますが、今日のお店はこころもち柔らかめです。豆腐をラー油に塩、唐辛子、香菜が入ったタレにつけて、ごはんにのっけて食べると、豆腐もごはんも際限なく、食べられそう。ラー油の辛さをごはんと豆腐が包みこんで、調和される感じ。おいしすぎて食べ過ぎてしまう危険のある食べ物です。仙市古鎮は、成都からも行きやすく、四川南部の塩業の歴史がわかる古鎮です。富順豆花も味わえるので行ってみませんか!

豆花飯の基本セット。これで足りない人やお酒を飲む人は、干した牛肉や牛の内臓をラー油であえたものを注文する 豆花飯の基本セット。これで足りない人やお酒を飲む人は、干した牛肉や牛の内臓をラー油であえたものを注文する