昔も今も旅行者に人気が高い、陽朔での過ごし方

カルスト地形特有の水墨画の世界のような風景の中をほぼまる1日、自転車で走って来ました。距離にして約58キロ! 足が疲れてへとへと。でも、本当に楽しかった! 中国の西南部に位置する広西壮族自治区陽朔と言えば、漓江下りで知られています。陽朔県がある桂林市は世界的に有名な景勝地です。漓江下りは、桂林の観光の目玉ですが、一番美しいと言われる場所は、陽朔や興坪周辺に集まっています。なかでも陽朔は、90年代から外国人のバックパッカーが多い町でしたが、今でも個人旅行者が多い町です。そんな陽朔での過ごし方と言えば、サイクリングが定番! 小さな町のあちこちにレンタサイクル屋さんがあります。私も宿で自転車を借りて行ってきました。

朗梓村では、4人もの進士合格者を出した。丘の上に建つ「覃氏公祠」 朗梓村では、4人もの進士合格者を出した。丘の上に建つ「覃氏公祠」

「十里画廊」から朗梓村までサイクリング!

陽朔でサイクリングをするなら、今、一番流行っているのは「十里画廊(シーリーホアラン)」です。陽朔中心部から国道321号線沿いを進み、月亮山までの約8キロをさします。絵のように美しい景色が続いているので、このように呼ばれています。私の目的地は、月亮山よりさらに先の高田鎮にある朗梓村です。陽朔中心部から高田鎮までが約10キロ、高田鎮から朗梓村までは約8キロ。片道18キロもありますが、サイクリングコースに詳しいお宿のご主人曰く、「片道約2時間あれば大丈夫」。この言葉を信じて、とりあえず行くしかない! 朗梓村は、要塞のような雰囲気がある、珍しい古鎮です。

要塞のような朗梓村。写真、右奥に砲楼が見える 要塞のような朗梓村。写真、右奥に砲楼が見える

「馬頭チャン」を見たくて、朗梓村へ

朗梓村ができたのは、清朝順治年間と言われているので、約350年もの歴史があります。村を作ったのは、明末の農民反乱軍の指導者である李自成の軍にいた将軍の一人だと言われています。大きな農貿市場がある高田鎮を過ぎ、「砲楼」と呼ばれる見張り台にも敵を攻撃する砲台にもなる楼閣が見えてきました。ここが朗梓村です。砲楼の前には、私が見たかった「馬頭チャン」と呼ばれるカクカクッとした壁があります。密集した場所で火災が起きた時、風を防ぎ、延焼による火災を防ぐ役割を果たしています。屋根よりも高い位置にあり、馬の頭に似ていることから罵頭チャンと呼ばれていますが、私には「馬の頭に似ているかな?」程度ですが、おもしろい形には違いありません。

どうしても馬の頭には見えない「馬頭チャン」 どうしても馬の頭には見えない「馬頭チャン」

こんな山の中にあるとは思えない「瑞枝公祠」

馬頭チャンは、徽派と呼ばれる安徽省スタイルの建物の特徴です。朗梓村がある陽朔県は広西壮族自治区ですが、朗梓村は、なぜか安徽省スタイルの建築様式がとられています。砲楼に登ってみると、村を一望できました。まさに壮観! 馬頭チャンがある伝統家屋は、風格があります。「瑞枝公祠」に入ってみました。清代後期に建てられた祠堂ですが、今も一族の末裔が住んでいます。窓枠、壁画、柱石など、どれを見ても中央(北京)から遠く離れた山中の村とは思えない繊細さ。祠堂の前に池(堀)があるのは、中国南部では珍しくない配置ですが、砲楼がそびえていると、要塞っぽさが増します。陽朔の桃源郷のような景色には溶け込まない、おもしろい雰囲気の村です。陽朔でサイクリングをするなら、朗梓村まで行ってみませんか!

砲楼がある村の風景は、山西省介休の張壁村に似ている。砲楼は登れるので実際に登ってみるのがおすすめ 砲楼がある村の風景は、山西省介休の張壁村に似ている。砲楼は登れるので実際に登ってみるのがおすすめ