雲南省の人の朝ごはんは、名物の米線一筋!

私の隣のお客だけでなく、あの人もその前の席の人もみんな同じものを食べています。黄色くて、とろっとしたものがかかった米線(ミーシェン)は、この食堂の人気朝ごはんに間違いありません。日本人には、聞きなれない米線ですが、米粉(ミーフェン)とも呼ばれるビーフンのことです。中国の朝ごはんは、豆漿(豆乳)、油条(ヨウティアオ)と言う揚げパンなど、地方によっていろいろです。国土が大きくて人口が多いからなんて言葉では言い表せないぐらい種類が豊富。だからどこに行っても中国人は、思い思いに自分が好きな朝ごはんを食べています。例外が雲南省。雲南省だけは、朝は米線と決まっています。違うものを食べている人が本当に少ない。そのかわり米線は、種類が豊富です。

稀豆粉。最初は、米線が下に隠れていて、何を食べているのかわからなかった 稀豆粉。最初は、米線が下に隠れていて、何を食べているのかわからなかった

雲南省昆明で初めて見た、黄色いドロドロがかかった米線

昆明では、朝は、臓物や血を固めた豆腐のようなものが入った腸旺(チャンワン)米線や豚ミンチ肉が入った鮮肉米線が人気です。今、私がいるこの食堂にも鮮肉米線を食べている人がいます。しかし、気になるのは、やはり黄色くて、とろっとした謎のものがかかった米線です。90年代から雲南省には何度も来たことがありますが、こんなのは、初めて見ました。お店の人に聞くと、「稀豆粉(シードウフェン)」と言うそうです。「稀(シー)」は、お粥をさす「稀飯(シーファン)」の稀です。黄色い謎の物質は、豌豆をお粥状にしたものでした。

豆漿と油条。中国全土で食べられている定番中の定番朝ごはんだが、雲南省では見かけることはかなり少ない 豆漿と油条。中国全土で食べられている定番中の定番朝ごはんだが、雲南省では見かけることはかなり少ない

稀飯粉のお味は、いったい何に似ている?

とりあえず私もマネして注文です。とろっと豌豆のお粥に唐辛子、香菜などをかけて、米線と混ぜて食べます。チーズではないけれど、ビーフンにグラタンソースをかけて食べたような感じ。もったりした豌豆のソースと唐辛子の相性ばっちりで美味しい! 朝ごはんにしては、かなり濃厚ですが、重い味付けが好きな私は、はまりました。それにしてもこんなに美味しい米線は、初めて食べました。今まで昆明で稀豆粉を見かけたことがありません。今日、見つけたのは、たまたま? それとも今、流行っているんでしょうか?

稀豆粉の表面のとろっとしたものと米線とからめて食べる。肉が入っていないので、鮮肉米線などより安い 稀豆粉の表面のとろっとしたものと米線とからめて食べる。肉が入っていないので、鮮肉米線などより安い

グラタンソースのような深い味わいは何で作る?

稀豆粉は、雲南省東部の騰冲(トンチョン)名物です。中国の大人気食のドキュメンタリー番組「舌尖上的中国季節3(舌の上の中国第3シーズン)」でも取り上げられました。騰冲は、2015年頃から雲南省で注目を集めている地方です。私が朝ごはんに入ったお店は、偶然ですが、騰冲出身のご主人のお店でした。2018年7月、昆明を離れる前にもう一度、この食堂に行きました。どうしても最後に稀豆粉が食べたくて。すると「まだ、出来ていないの。生でよければ、出すけど」と言われました。列車の時刻が迫っているので食べられませんでしたが、作り方を途中まで見ることができました。こってりグラタンソースのような稀豆粉は、すりつぶした豌豆からとった豆乳にゴマ油を加えながら煮詰めたものでした。あの深い味わいを出すのにゴマ油が一役買っていたとは! 雲南省で稀豆粉を見つけたら、食べてみませんか!

鮮肉米線。写真は、米線の中でも幅広のタイプ。鮮肉米線は、辛いものが苦手な人向き 鮮肉米線。写真は、米線の中でも幅広のタイプ。鮮肉米線は、辛いものが苦手な人向き