白に見えるけど、実は赤い? 元陽の米線

「米線は、この赤いのがおいしいね〜。昆明の米線みたいに白いのは米線とはいえないよ。米線は、赤いのに限るよ」と、私が雇ったドライバーさんは言います。「この米線のどこが赤やねん?」と、私には白にしか見えません。「米線(ミーシェン)」とは、米で作った米粉のことです。中国の西南部に位置する雲南省では、米線は、定番の朝ごはんです。雲南省の南部はラオスやベトナムと国境を接しています。1年を通して穏やかな気候の米どころです。主食は、もちろんお米で、麺よりも米線のほうをよく食べます。

世界遺産の元陽の棚田に行ったら、おいしい赤い米線を食べてみよう! 世界遺産の元陽の棚田に行ったら、おいしい赤い米線を食べてみよう!

世界遺産の元陽って、どんな町?

私がドライバーさんを雇ったのは、雲南省南部の紅河ハニ族イ族自治州の元陽です。元陽と言えば、天まで届くと言われる少数民族のハニ族が作った棚田で知られています。この棚田は、2013年には世界文化遺産にも認定され、世界中から観光客が訪れるようになりました。元陽は、新街鎮と南沙鎮に分かれています。役所や政府関連の施設が集まっているのは、南沙鎮で、棚田があるのは山の上に築かれた新街鎮です。棚田は、朝日の撮影に適した「多依樹(トゥオイーシュー)梯田」や最大規模と言われる「バーダー梯田」など、いくつかに分かれています。どこも新街鎮から20キロ前後は離れているので、タクシーでまわるのが便利です。

元陽の紅米とは、いったいどんなお米?

ドライバーさんは、地元の少数民族のイ族出身の何(フー)さんです。朝ごはんは、棚田に行く途中のイ族の村で食べることになりました。雲南省ならどこにでもある白い米線をすすりながら「赤い米線がおいしい」なんてことを言うのです。そう言われてみると、元陽の米線は、かすか〜に色がついています。赤と言えるほどはっきりしてませんが、まっ白ではないです。この米線は、元陽の棚田で作った「紅米」で作られています。元陽の紅米は、雲南省ではかなり有名です。カルシウムや鉄分、マグネシウムなどの栄養素が多く含まれ、中でもカルシウムは普通のお米の3倍も含まれているそうです。

紅米で作った元陽産の米線を食べてみよう!

ベトナム国境にも近い元陽でも、海抜が低い南沙鎮の米作りは、温かい気候を利用した二期作です。しかし新街鎮にある棚田は、最も海抜が高いところでは1800メートル以上あります。そのため、海抜が高い新街鎮の秋冬は、気温がぐっと下がり、お米は1年に1回しかできません。紅米は、時間をかけて栄養分をためこんだ貴重なお米です。元陽の紅米で作ったほんのり赤い米線は、イ族の村に行かなくても、新街鎮の食堂や屋台でも食べられますよ。世界遺産の元陽に行ったら、栄養たっぷりの紅米で作った米線をぜひ、お試しあれ!