雨の日は控えたい中国南部の移動

雲南省の省都昆明から、バスで世界遺産の元陽に行ってみようと思ったのですが、どうも中間にある建水という町もいいらしいのです。建水までは半日の距離。バスで行くことにしました。するとバスの車内には、人だけでなく、通路に植木、最後部座席には檻に入れられたヒヨコが運ばれていました。前の座席のおじさんは、ゆで卵を次から次へと食べています。10個はいっていたでしょう。大丈夫かなと思っていたら、その後具合が悪そうに。妻がミネラルウォーターをあげました。そして通路に並んだ植木が、カーブのたびに僕のほうに倒れ込んでくるので、両手で支えていると、植木の持ち主の女性が「悪いねえ」と飴を沢山くれました。ローカルのバスは、こういうところが楽しいですね。たばこ葉畑の間を走り、半日かけて建水に到着です。町の中心には立派な朝陽楼が建っています。町は古臭くいい感じでした。その夜は焼肉を食べました。

2013年世界遺産に登録された元陽の棚田 2013年世界遺産に登録された元陽の棚田

元陽は二つある。一つは元陽新街鎮、もうひとつが南沙鎮。

翌日もまたバスで、目指すは元陽最寄りの新しい町、南沙鎮です。本格的な山道に入り、カーブの連続です。雲南南部は雨の日は、移動は避けた方がいいと言われています。なるほど、雨降りでスリップでもしたら崖下に転落しそうです。無理な旅程は組まないほうがよさそうですね。はるか下に流れるのが紅河で、ベトナムのハノイにまで続いています。民族衣装を着た人が目立って多くなり、半日かけて南沙鎮に到着しました。真新しい町には真新しいホテルやレストランがありますが、活気があるというほどではありません。泊まったホテルの部屋からは紅河が見え、併設のレストランもおいしく、文句なしです。翌朝早くに元陽の新街鎮行きバスに乗ります。一気に1500メートル近くも登って行きます。バスには通勤の人が鈴なりでした。やがて雲海の中に元陽の町(新街鎮)と棚田が見えてきました。絶景です!

中国人カメラマンが押し寄せる

青空市では、中国人の観光客たちが、少数民族のおばちゃんたちの写真をしきりに撮っています。朝市に、近くの農村から少数民族の人たちが集まるのです。僕と妻はタクシーをチャーターし、見所に連れていってもらうことにしました。1200年前から始まっという棚田が、山の斜面全体を覆っています。本当は田植え前の水が張られた時期がベストなのですが、僕たちはそれでも来てよかったなと思いました。人類の努力の素晴らしさがわかるからです。これだけの棚田を維持、管理し、稲作するのは途方もない手間と労力がかかるはずです。その努力の成果が「美」を生んでいるように思えてなりません。世界遺産登録前後から撮影場所が整備されたり、町もすっかりきれいになりました。山の上には土地がありません。棚田を観光開発から守るためにも、紅河の畔に南沙鎮を作って、観光客対応したのは大成功だったようです。