会理を「四川省の平遥」と言いたくなる理由

「四川省なのに世界遺産の平遥に来たみたい!」。そう思ってしまうのは、古い商店街の真ん中に立派な鼓楼が建っているからかもしれません。平遥は、北京の西側に位置する山西省の古城です。私がいるのは、そこからずっと離れた中国西南部に位置する四川省でも、さらに南部と言える会理古鎮です。全然、場所は違うのに、そっくりな気がするのは、商店街に鼓楼があるだけではありません。会理古鎮には、平遥と同じような趣きを感じるのです。四川省の省都、成都周辺には、洛帯、黄龍渓、安仁など、いくつも古鎮がありますが、少し観光産業に力を入れている感じが否めず、古鎮テーマパークみたいになってしまっています。会理古城には、平遥のように、古く似せて作った新しい建物は、ほぼ見当たりません。

270年以上前に建てられた会理鼓楼は昼間は登れないが、夕方以降は登ることができる 270年以上前に建てられた会理鼓楼は昼間は登れないが、夕方以降は登ることができる

会理が成都周辺の古鎮と違っている部分とは?

会理は、衛星発射基地があることで知られる涼山イ族自治州の州都、西昌から約180キロ南にあります。かなり遠い気がしますが、西昌から途中の徳昌までは高速道路が通っているので、バスで3時間です。山の中に突如、現れる大きな町が会理です。一見、マンションが建ち並ぶ普通の町ですが、中に入ると、中心部に明清代に作られた古い町並がしっかり残っています。観光地化しすぎていない古鎮を求めている人には、この会理古鎮はおすすめですよ。商店街には、観光客のためのものは見当たらず、ほとんどが地元の人の生活に密着したお店です。地味なんですが、とにかくにぎわっています。

北城門から見た北街。このあたりは、食堂や市場が集まっている 北城門から見た北街。このあたりは、食堂や市場が集まっている

「静かな」古鎮ではなく、元気がいい会理古鎮

会理は、前漢の紀元前111年に県が置かれたと言われています。それからすると2100年以上の歴史がある、本当に古い町です。現在の会里古鎮が建設されたのは、明代の初めですが、すでに600年以上の歴史があります。明代の建築は1か所、清代の建築は7か所しか残っていないそうですが、古鎮のどこを見ても目にはいる傾いた屋根やほこりをかぶった梁が古びていい味を出しています。ただ商店街がにぎわっているので、「静かな古鎮」ではないのですが、本物の古い町並みを満喫できるのが、会理古鎮です。

会理古鎮で出会うカラフルな民族衣装の人々

では、会理古鎮を歩いてみましょう! 西昌からのバスが到着する会理汽車站(バスターミナル)を出て東関(通り)をまっすぐ西に進むと、広場に出ます。広場の西にある石の門が北城門です。この広場の周辺は商店街ですが、とにかく木造建築に興味がある人なら必見です。広場では、トランプをする老人や立ち話をしている地元の人たちに交じって、カラフルな民族衣装をまとった女性の姿が目につきます。この人たちは、少数民族のイ族です。会理は、涼山イ族自治州に属する県で漢民族の多い町です。しかし周辺にはイ族の人たちが多く住んでいるので、路上の野菜市場に行くと、イ族の女性たちも漢民族に交じって野菜を売っています。会理は、古い町並だけでなく、少数民族旅情も楽しめるところですよ。(後編に続く)

古城の中には、イ族の民族衣装を扱うお店がいくつもある 古城の中には、イ族の民族衣装を扱うお店がいくつもある