台湾の伝統的デザート「愛玉(アイユイ)」

台湾の冷たいデザートと言えば、最近はマンゴかき氷に押されていますが、やはり伝統的な「愛玉(アイユイ)」が美味しい。琥珀色の寒天のような愛玉にレモン入りのシロップをかけて食べます。つるんとした食感、甘酸っぱいシロップは、最高の組み合わせ。愛玉にもちもちのブラックタピオカをトッピングしても美味しく、台湾に行くたびに食べずにはいられない冷たいデザートです。この愛玉の原料は、愛玉子と呼ばれる高山植物の種です。一見、レモンに似た愛玉子の果実をひっくり返して中を表にして干します。内側にはビシーッとゴマのような種が詰まっており、これが愛玉の原料になります。

台湾の国民的デザート「愛玉」。ブラックタピオカなしで食べても美味しい 台湾の国民的デザート「愛玉」。ブラックタピオカなしで食べても美味しい

雲南省で建水で出会った「木瓜水(ムークワシュイ)」

大好きな愛玉ですが、なぜか中国南部では、見つかりません。台湾と気候が良く似た中国南部ならありそうなものなのに。2018年7月の建水で衝撃の出会いがありました。建水で食べた「木瓜水」とも「冰粉(ビンフェン)」と呼ばれるデザートが、まさに愛玉! 建水は、中国西南部に位置する雲南省南部にある古都です。木瓜水のシロップは、台湾と違い、レモンが入っていないので、味は違います。でも、寒天のようなものは、食感も味も愛玉そのもの。本当に同じかどうか、お店の人に確認せねば。「木瓜水って、どうやって作るんですか?」と尋ねると、「種を布に入れて、水の中でもめば、すぐできるわよ」。愛玉と全く同じ作り方! やはり木瓜水は、愛玉に違いありません。

建水で出会った「木瓜水」。雲南省では、建水以外でも必ずゴマをふって食べる 建水で出会った「木瓜水」。雲南省では、建水以外でも必ずゴマをふって食べる

原料をたずねて、わかった衝撃の事実

「木瓜水の原料は、どこに行けば買えますか?」と尋ねると、お店のおばちゃんが「これでしょ? 農貿市場に行けば、あるんじゃない?」と、原料を見せてくれました。えっ、茶色? 愛玉の種は、白っぽく、一見、ゴマそっくりです。でも、今、目の前にある木瓜水の原料は、焦げ茶色の種で、一粒が愛玉の原料よりかなり大きい。愛玉と木瓜水は、食感と見た目が全く同じで、作り方まで同じでも全く違うものだということがわかりました。やはり愛玉は、台湾でしか食べられないデザートでした。

台湾の乾物屋で売っている愛玉の原料。からすみほどではないが、高価なので、木瓜水の原料で代用できればなあ 台湾の乾物屋で売っている愛玉の原料。からすみほどではないが、高価なので、木瓜水の原料で代用できればなあ

木瓜水と愛玉の違いとは?

中国の検索サイト「百度」で木瓜水を調べてみました。「木瓜(ムークワ)」とはパパイヤのことですが、台湾やタイで私たちが食べるあのパパイヤではなく、「にせ酸漿」と呼ばれる植物の種が原料です。パパイヤの種に似てなくもないので、原料を「木瓜子」と呼ぶのかもしれません。ちなみに愛玉はくわ科の植物ですが、にせ酸漿は、ナス科の植物です。やはり全く違う植物でした。それにしても建水で食べた木瓜水は、シロップにレモンを入れたら、愛玉と同じになること間違いなし。木瓜水は、雲南省では北部の大理でよく食べられているデザートだそうですが、雲南省や四川省一帯で食べられるようです。愛玉ファンなら、雲南省の木瓜水も食べてみませんか!

雲南省では、木瓜水にお米で作った白い寒天のようなものを入れるところが多い 雲南省では、木瓜水にお米で作った白い寒天のようなものを入れるところが多い