めずらしい山吹色の駅舎を持つ「郷会橋」駅

ポツンと畑の中に立つ、人気のない駅舎。くすんだ山吹色の駅舎が寂しげで、時間が止まってしまった世界に紛れ込んだかのようです。中国では見慣れない山吹色の駅舎の前に立っていると、今、自分が中国にいるのかどうか、わからなくなってきます。この山吹色の駅舎は個碧石鉄道の郷会橋駅です。郷会橋駅は、中国西南部の雲南省紅河ハニ族イ族自治州の建水にあります。紅河ハニ族イ族自治州は、雲南省の中でも南部にあり、ベトナムと国境を接しています。

清代に作られた美しい橋「双龍橋」も同じミニバスで行けるので、両方見られます 清代に作られた美しい橋「双龍橋」も同じミニバスで行けるので、両方見られます

フランスと関係が深い雲南省の鉄道

アヘン戦争の後、1910年にフランスがベトナムのハノイから雲南省昆明までの鉄道を敷きました。これが滇越鉄道です。この滇越鉄道の碧色賽駅から分かれ、石屏駅まで敷かれたのが個碧石鉄道です。滇越鉄道はフランス人技師が作ったので、フランス風の山吹色の駅舎が建てられました。個碧石鉄道は中国初の民間が敷いた鉄道ですが、フランスの協力を得て、フランス人技師が作ったので、駅舎は滇越鉄道と同じ山吹色をしています。

個碧石鉄道の特徴は、遅い、狭いです!

個碧石鉄道は、1915年に鉄道開通工事が始まり、1936年にやっと完成しました。全長177キロの工事に21年もかかったので、中国では「世界で一番遅い鉄道」と言われています。遅いと言われるのは、工事の期間だけではありません。走行時速も20キロでした。本当のところは、たった10キロだったとも言われています。また、個碧石鉄道は、「小火車」としても知られています。中国では汽車のことを「火車」と言います。個碧石鉄道は、わずか61センチの狭軌鉄道だったので、小火車なのです。確かに郷会橋駅前のところどころ雑草にうずもれた線路を見ても、本当に狭いです。

建水から「郷会橋駅」への行き方

個碧石鉄道の乗客輸送は2003年に終了し、貨物輸送のみで運行していましたが、それも2010年1月1日をもって終了しました。現在、郷会橋駅を列車が通ることも止まることもありません。まさに廃駅です。郷会橋駅への行き方は、建水の中心部、紅運酒店(紅運ホテル)横のミニバス乗り場から「黄龍寺」行きのミニバスに乗り、郷会橋で降ります。あとは畑の中の1本道を進んで行けば、前方に石で造った郷会橋に到着です。ここから線路沿いに進めば、郷会橋駅が見えてきます。郷会橋駅は、観光地ではありませんが、鉄道ファンや哀愁漂う風景が好きな人には、おすすめです。