鉄道好きでなくてもはまる箇碧石鉄道の駅舎巡り

鉄オタと言うほどではないのですが、気が付くと、くすんだ山吹色の旧駅舎にはまっていました。中国では、珍しい山吹色の古い駅舎が見られるのは、雲南省南部の紅河ハニ族イ族自治州です。清朝末期の19世紀末に、ベトナムのハノイから雲南省の昆明までの鉄道を敷く権利を得たフランスが建設したのがテン(さんずいに眞)越鉄道です。テン越鉄道の碧色寨駅に箇旧で産出される錫を運びこむために敷かれたのが箇碧石鉄道です。箇碧石鉄道は、中国初の民間鉄道ですが、テン越鉄道と同じようにフランス人技師によって建設されたため、テン越鉄道の駅舎と同じ山吹色の駅舎をしています。今回、私が見に行ったのは箇旧市内に残っている箇碧石鉄道の鶏街駅です。

ハゲハゲの山吹色になってしまった旧鶏街駅 ハゲハゲの山吹色になってしまった旧鶏街駅

箇碧石鉄道の鶏街駅への行き方

鶏街は、鎮(村)なのでバスターミナルなどはなく、鶏街を通るバスに乗って、途中下車する形になります。私が乗ったのは、建水発箇旧行きのバスです。建水は、元代以降雲南省の軍事、政治、経済の中心だったところでもあり、現在も雲南省南部では大きな町です。建水発のバスは、約1時間で鶏街に到着。トラックが並んでいる交通量の多い道路で降ろされても、ここがいったいどこかはわかりません。すぐ先に大きな路上市場があることだけがわかりました。この路上市場は、たぶん鶏街で一番にぎやかな場所でしょう。とりあえず、そう遠くはないはずの鶏街駅をめざします。ローターリーで三輪車を見つけ、「老火車站」と言うと、運転手の若い男性が「えっ!」と驚きました。

壁には、「鶏街車站」の文字がそのまま残っていた 壁には、「鶏街車站」の文字がそのまま残っていた

運転手が間違えた「碧色寨駅」とは?

「まさか碧色寨駅まで行けと言っているのかと思ったよ」と、運転手が驚きました。中国では古い駅のことを、「老火車站」と呼びます。まさか鶏街駅に行く旅行者が来るとは思わず、有名な碧色寨駅に行きたいと言っていると、一瞬、思ったそうです。碧色寨駅は、鶏街からバスで約1時間の蒙自にあります。テン越鉄道の駅でもあり、箇碧石鉄道の出発点でもある碧色寨駅は、2016年頃から一気に知名度アップ! 2017年には「中国で最も美しい駅トップ20」に選ばれるなど、蒙自の人気観光地になっています。碧色寨駅と比べると、訪れる人がほぼいない鶏街駅は、静まり返っています。箇碧石鉄道は、2010年には廃止されているので、現在、残っているのは使われていない鶏街駅舎と幅1メートルの線路です。

映画のロケ地になるなど、人気急上昇の碧色寨駅 映画のロケ地になるなど、人気急上昇の碧色寨駅

箇碧石鉄道の魅力でいっぱいの鶏街駅

鶏街駅は、路上市場のつきあたりのロータリーから徒歩5分もかからない場所にあり、すぐわかりました。がらんとした構内に入ると、色あせた山吹色の駅舎と使われなくなった幅1メートルの線路が残っていました。一瞬にして、音のない世界に紛れ込んだかのような錯覚に襲われました。訪れる観光客もいない、古びた駅舎が、静寂に導いてくれます。これこそが箇碧石鉄道の駅舎巡りの醍醐味です。鶏街駅は、建水から行きやすく、見学後、建水からのバスを降りた場所に戻り、今度は蒙自行きに乗れば、碧色寨駅も無理なく観光することができます。鉄道好きなら建水から鶏街駅に足をのばしてみませんか!

鶏街は、イスラム教徒の多い町。ベールをかぶった回族の女性が目につく 鶏街は、イスラム教徒の多い町。ベールをかぶった回族の女性が目につく