日本とは異なる中国の建築物の特徴とは?

ぐーんと反り返った屋根を見ると、ああ、中国らしい! 中国の寺院、塔、宮殿の屋根と言えば、屋根の端っこがぐーんと反り返ったものが本当に多い。見栄えは抜群ですが、素人が見ても、この屋根を作るのは、非常に難しそう。反り返った屋根を下から見上げると、屋根を支える部分の細工が、半端じゃないぐらい複雑。いったいどうしてこんな難しい屋根を中国人は、作ってきたのだろう。こんな疑問がむくむくとわいてきます。この反り返った屋根は、中国各地どこに行っても見られます。特に北方、南方のどちらかに固まっているというわけではありませんが、雲南省建水では、普通の民居の屋根の反り返り方が、半端じゃない気がします。

清代に建てられた建水の古民居。メインストリートの臨安路から1本中に入ると、こんな家が並んでいる 清代に建てられた建水の古民居。メインストリートの臨安路から1本中に入ると、こんな家が並んでいる

雲南省の古都、建水って、どんな町?

建水は、中国西南部に位置する雲南省の古都です。元代以降、雲南省の軍事、経済、政治の中心だったところ。少数民族が多く住む雲南省にある漢民族の町です。雲南省を訪れる外国人旅行者に人気が高いところと言えば、大理、麗江、元陽などなど。少数民族色が濃い町に人気が集まっています。建水は、外国人旅行者にはマイナーな町と言えるかもしれません。建水の観光の中心となるのは、町のシンボルにもなっている朝陽楼です。朝陽楼は、建水旧市街の入り口でもあり、東門です。朝陽楼を通り抜けると、メインストリートの臨安路。臨安路から1本外れた通りに入ると、清代に建てられた古民居が集まっています。

明代の洪武年間に建設された朝陽楼(その後、7回修復された)。登ると建水の旧市街が一望できる 明代の洪武年間に建設された朝陽楼(その後、7回修復された)。登ると建水の旧市街が一望できる

中国特有の反り返った屋根を支える建築技術

中国の建築物の突き出した大きな屋根(軒)は、TOTO出版の「中国歴史建築案内」によると、「建物全体に雨水が浸透するのを防ぐため」らしいです。反り返った屋根には、採光と排水のためや単に見栄えがいいからなど、いくつか説があります。反り返った屋根や思いっきり突き出た軒の上には、大量の瓦が敷かれています。この瓦の重さに耐えられないといけません。そのための工夫が柱と梁の間に設置されています。丸みを帯びた弓型のものを「キョウ(木へんに共)」、斗(ます)の形をしたものを「斗(ト)」と言います。両方を複雑に組み合わせたものを「斗キョウ」と呼びます。これが反り返った屋根を支えています。

陝西省韓城古城の文廟の複雑に組み合わされた斗きょう。 陝西省韓城古城の文廟の複雑に組み合わされた斗きょう。

反り返った屋根を見るなら建水が一番と思う理由

建水の古民居は、この複雑で芸術的な斗キョウに加え、柱や梁の装飾を本当の至近距離で見られるのがおすすめ。建水の古民居は、主に清代に建てられたものです。名立たる寺院や宮殿となると、斗キョウも柱の肘木の装飾もすばらしいのですが、何しろ高層なので、望遠レンズなどで見ないとしっかり見られません。建水の古民居は、軒下で顔を上げれば、もう目の前に斗キョウが迫っています。ここまで近距離で見られる場所は、なかなかありません。元代以降、雲南省の政治、商業、軍事の中心として栄えて来た建水だから、漢民族の伝統家屋もしっかり残っています。中国の反り返った屋根好きなら建水の旧市街に行ってみませんか! 反り返った屋根の秘密がわかりますよ!

建水西門の大坂井のすぐそばの古民居の柱の装飾。建水では、このような凝った装飾の家が多い 建水西門の大坂井のすぐそばの古民居の柱の装飾。建水では、このような凝った装飾の家が多い