10月でも既に真冬の寒さの色達

「そろそろ今年の営業も終わりだねえ」と四川省北部の色達(セルタ)の食堂でこんな風に言われました。10月下旬ともなると、標高約4000メートルの色達の朝晩は氷点下になります。「もう出稼ぎの人も(故郷に)帰っちゃうし、私も家に帰るよ。戻って来るのはGW頃だね」。余りの寒さに食堂のおばちゃんの話にも納得でした。色達では、11月頃からGWまでは、旅行者がほぼやって来ない閑散期になります。色達と言えば、ラルン・ガルン・ゴンパとも呼ばれる喇栄五明佛学院があることで知られています。マッチ箱のように小さな僧坊が山を覆いつくす、この喇栄五明佛学院の異様な姿に魅かれてやってくる旅行者は後を絶ちません。

色達の喇栄五明佛学院。色達の小さな町の中心部から約20キロ離れている 色達の喇栄五明佛学院。色達の小さな町の中心部から約20キロ離れている

旅行者に人気の四川省甘孜チベット族自治州とは?

色達は、四川省西北部に位置する甘孜チベット族自治州にあります。甘孜チベット族自治州は、その面積のほとんどが山です。しかも標高6168メートルの雀児山、7556メートルの貢嗄山など、非常に高い山が集まっています。万年雪を頂いた山を年間を通して見られるところでもあり、山好きの旅行者には、人気が非常に高い州です。また、州都になっている康定も含め、チベット族が多く住んでいます。州内には、彼らが信仰するチベット仏教やポン教の寺院が数多くあるため、チベット文化に興味がある外国人旅行者も多く訪れる地方です。しかし、冬の寒さが厳しい地方だけに旅の季節は、GWから国慶節がある10月頃までです。

丹巴は、珍しいチベット族の塔が見られる。この塔は丹巴周辺で見られ、塔公や甘孜では見られない 丹巴は、珍しいチベット族の塔が見られる。この塔は丹巴周辺で見られ、塔公や甘孜では見られない

甘孜チベット族自治州を走る国道303号線と317号線

甘孜チベット族自治州の中でも康定、塔公、道孚、甘孜、色達、丹巴など、旅行者が多く訪れる町は、ほぼ国道303号線と317号線沿いに集まっています。私はGWには時間がとれないので、10月か11月に何度か行ったことがありますが、本当に寒い。あまりの寒さに小さな川の水が凍っていたこともありました。GWは、長い冬が終わり、長らく行けなかった甘孜チベット族自治州の山開きのような時期です。待ちかねたシーズン到来! 日本のGWの時期は、中国でも黄金週と呼ばれる連休になるため、303号線と317号線の小さな町には、旅行者が押し寄せます。

甘孜の甘孜寺。周辺はチベット人の集落になっており、チベットの伝統家屋が見られる 甘孜の甘孜寺。周辺はチベット人の集落になっており、チベットの伝統家屋が見られる

チベット好きにはたまらない甘孜チベット族自治州

康定には特に見どころはありませんが、甘孜チベット族自治州の旅の起点になる場所です。成都からはバスで片道約7時間。康定から甘孜チベット族自治州への旅は始まります。外国人や中国人旅行者に人気が高いのは色達ですが、チベット人のおすすめは違います。色達よりは塔公。喇栄五明佛学院は単なる学校ですが、塔公の塔公寺のほうが価値があるそうです。塔公寺の釈迦牟尼像は、唐の文成公主がチベットに嫁ぐ際に塔公に滞在し、置いて行ったものと言う伝説が残っています。また、甘孜にある甘孜寺は、チベット仏教ゲルク派の大寺院です。こちらも見る価値あり。303号線と317号線沿いの町は、単独でも、いくつかはしごしても楽しいですね。GWは、甘孜チベット族自治州の旅に季節の始まりです。

塔公は塔公寺だけでなく、塔公大草原でも知られている 塔公は塔公寺だけでなく、塔公大草原でも知られている