- 原口純子
- 1993年より北京在住。日本の雑誌、新聞、WEBを中心に中国のライフスタイル関連の記事、書籍を執筆。作品に『おどる!中国人』『北京上海 小さな街物語』『歳時記 中国雑貨』など。書籍編集も手がけ編書に『在中日本人108人の それでも私たちが中国に住む理由』『知日 なぜ中国人は、日本が好きなのか!』など。
出発エリアをに変更しました。
06年竣工100周年を迎えた北京北駅。こじんまりした規模ながら歴史の風格が漂います
万里の長城の最も代表的な観光ポイントとして有名な「八達嶺」。外国人むけのガイド付きオプショナルツアーに参加したり、中国人むけのバスツアーに参加したりするのが一般的ですが、一味変わった八達嶺へのアクセスとして、北京北駅からの列車の旅があります。
出発点は、北京北駅。ここから毎日、6427次「北京北ー沙城」行きの列車が8:06分発ででています。「八達嶺駅」到着は10:53分。3時間あまりののんびりしたプチ列車旅行で、料金は片道5、50元です。ほとんど地元の人しか乗らない庶民的な列車の旅、味わいのある思い出になりそうです。
北京北駅には、地下鉄でいく場合は「西直門」が便利。出口を出ると案内がでています。まずは切符売り場へ
出発点となる「北京北駅」も目立たない存在ながら、実は2006年には開設100周年をむかえた歴史ある駅舎です。もとは北京と内モンゴルの入り口となる張家口を結ぶ400キロの京張鉄道の駅として建設されたもので、設計者は、中国鉄道の父ともいわれる天佑。神童のほまれ高く、少年時代から選ばれてアメリカに渡り、中国鉄道網の敷設に力を尽くした人物です。歴史ある駅舎にしてはびっくりするほどこじんまりしてますが、現在も現役で旅客を送り出しています。いま北京北駅の隣には新しい鉄道駅が建設中で、新駅舎が稼動し始めると、旧駅舎からの乗車はできなくなる可能性もあります。今のうちならレトロな駅舎から出発できるのも、楽しみの一つ。
北駅へ向う道には、これから列車を乗る人のための食堂や売店がならびます。レトロな構内も魅力
北京北駅は、地下鉄「西直門」駅から、「13号線」への乗り換え出口へ出て、徒歩約7、8分。駅の方向に歩いていくと、大きな荷物を抱え、いかにもこれから鉄道で移動、という感じの中国の人たちとすれ違います。100年前の駅舎が残る「北京北駅」、その周辺も一昔前の中国のムード。列車の中で食べるお八つ類を売る店や、出発前に腹ごしらえをする小食堂、キッチュなおみやげを売る店など、周辺からすでに旅情が漂っています。「北京北駅」の手前に、切符売り場があるので、まずはそこで切符を買って。窓口は自動ではなく、係員が対応する形式なので、中国語ができない場合は、「八達嶺」とメモに書いてわたせば、大丈夫です。そういうところも、レトロですね。
帰りは、「八達嶺」から6428次、14:34分発の便があります。北京北駅への到着は、17:07分。両方列車の往復でもいいし、片道だけ、バスなどを利用してもいいですね。列車の旅のよさは、とにかくのんびり、ゆっくりの時の流れ。日本人が乗っていることもめったにないので、隣あわせた中国の人たちに珍しがられ、カタコトの会話や筆談でおしゃべりが始まるのもよくあります。ちょっと奥深い中国体験をぜひ!
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