- 原口純子
- 1993年より北京在住。日本の雑誌、新聞、WEBを中心に中国のライフスタイル関連の記事、書籍を執筆。作品に『おどる!中国人』『北京上海 小さな街物語』『歳時記 中国雑貨』など。書籍編集も手がけ編書に『在中日本人108人の それでも私たちが中国に住む理由』『知日 なぜ中国人は、日本が好きなのか!』など。
出発エリアをに変更しました。
工場の巨大な作業場を改造してうまれた展示スペース、スケール感にあふれています
北京は、フランスでいえば、パリのようなところ。実は全国からアートジャンルでの成功を目指す人々が集まるアートの街です。ここ数年、世界のアートオークションで値段が高騰、注目が集まる中国アート市場。そんな景気のいい背景もあって北京でもアート関係の空間が次々に誕生しています。そのなかでも、11月5日オープンした「UCCA」は注目の的。もと国営工場の巨大な1棟をそのままアートセンターに作り変えた規模の大きさにまずは驚かされます。
北京で一番の大きさのアートショップ
UCCAがある798廠は、1950年代に建てられた巨大な国営工場。営業不振で操業を停止した工場の建物に、2000年ころからアーティストが移り住み、次第にギャラリーやショップが増え始め、いまでは100以上もあるといわれています。新しいギャラリーやショップのオープンは、毎月のようにあるのですが、UCCAはなかでも規模の大きさが突出しているので、アート界では今年一番のニュース、といった感じ。オーナーはベルギーのユーランス夫妻で、1500件あまりの中国アートを収蔵する、世界でも有数の中国アートコレクターといわれています。日本ではギャラリーというとビルの一角のこじんまりした空間が多いですが、北京ではとにかく巨大な規模にびっくり。
アートショップで売られているオリジナル商品
センターでは、現在、「85年新潮、中国第一代モダンアート運動」と題した企画展を開催中。1985年、中国のモダンアートの始まりといわれた時期のアーティストとその作品を紹介しています。開催中は講座や討論会もあるので、興味のある人はホームページでチェックを。またこのアートセンターには巨大なショップが併設されていて、北京の有名アーティストの作品を題材にしたノートブック、ポストカード、Tシャツ、マグカップ、バッチなど、ユニークなおみやげが見つかりそう。伝統的なおみやげに飽き足らない人に、モダン北京の息吹を伝えるものになりそうです。ポストカードなど、グリーンティングカードに使うのも素敵ですね。
UCCAのある798廠は、北京の東北エリア。まだ周辺には地下鉄がないので、北京の中心部からタクシーでの移動が便利です。中心部からタクシーで約30分、料金は50元前後。798廠のなかにはUCCAのほかにもギャラリーやショップ、カフェなど100以上もあるので、できれば見学の時間をゆっくり目にとって。月曜日は多くのギャラリーがお休みになるので避けて、おすすめはギャラリーのオープニングパーティなどが盛んに行われる土曜日の午後あたり。敷地を歩くと様々な国籍の観光客が訪れているのにも驚かされ、北京はまさに世界の注目の的なのだと感じられます。
■UCCA
住所:北京朝陽区酒仙橋4号798廠芸術区
電話:8459-9269
営業時間:火曜日〜日曜日 10:00〜18:00、月曜休
料金:チケット30元、学生10元(学生証が必要)
URL:http://www.ucca.org.cn
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