- 原口純子
- 1993年より北京在住。日本の雑誌、新聞、WEBを中心に中国のライフスタイル関連の記事、書籍を執筆。作品に『おどる!中国人』『北京上海 小さな街物語』『歳時記 中国雑貨』など。書籍編集も手がけ編書に『在中日本人108人の それでも私たちが中国に住む理由』『知日 なぜ中国人は、日本が好きなのか!』など。
出発エリアをに変更しました。
潘家園旧貨市場の外観、中国一の規模です
北京には、中国最大の雑貨市「潘家園旧貨市場」があります。土日の週末、明け方から集まってくる雑貨商は、なんと2000人以上。一人ひとりが幅1メートルほどの小さなスペースに、自分の品物を並べて売る露天市スタイルです。この露天市、一年中にぎわってますが、一番活気にわくのが、3月以降の春の市場。この背景には、中国の旧正月が大きく関係しています。
雑貨商が全国から売り物を仕入れて並べます。旧正月後が物が豊富でねらい目
旧正月の2週間ほど前から市場の売り手は少なくなります。なぜかといえば、全国の地方からやってくる雑貨商は、旧正月めざしてふるさとに戻ってしまうのです。日本と違って面積広大な中国、帰省も飛行機でワンフライト、などという恵まれた人はごく一部。多くの人は鉄道を利用し、鉄道駅についたあと、さらにバスで3日、などというのも普通。田舎が僻地にある人が多いので、帰省にも一週間くらいかかるのです。また旧正月が迫ると鉄道の切符がとれなくなるので、帰省は早々に始まります。そしてふるさとから雑貨商から戻ってくるのは、旧正月から約半月後。3月の頭ごろになると、市場はようやく活気が戻ります。
中国独特の嗅ぎ煙草入れ。ガラス製は新しく作ったレプリカが多く、50元前後が相場
そして、ふるさとから戻る商人たち、ふるさとの田舎の家々を回って、生活用品などのアンティークを仕入れて戻ってきます。一度の帰省がたいへんな彼らは、仕入れの旅もたいへんで、一年に一度の旧正月は一大仕入れの時期にもなるのです。北京のアンティーク好きは、3月以降の市場を狙います。品物は多いし、売り手の人たちは、新春早々の市なので、縁起かつぎのために商売が成り立つことを望み、値引き交渉にもいつもより応じてくれることが多いのです。潘家園旧貨市場は、北側の入り口をはいって、手前が新しい工芸品、奥が生活用品のアンティーク、さらに建物があり、その裏手(東側)にまわるとたくさんの露天商がズラリと並んでいます。このあたりのエリアが旧正月後の新商品が多いエリアなので、お見逃し無く。値段はすべて交渉制なので、必ず値切りましょう。市民の一月の月収が1500元〜2000元くらいなので、アンティークといえど、まあ出していいのは、数百元くらいが適正価格と思います。
東側の建物の後ろにさらに露天スペースがあります。お見逃し無く!
潘家園旧貨市場へいくなら、ちょっとした買出しグッズがあると便利です。市場で買った品物は、ビニール袋にいれてくれますが、中国製ビニール袋は破れやすいので、日本のスーパーなどのじょうぶな袋があると便利です。またアンティークはほこりをかぶっていることが多く、手が汚れやすいので、ウエットティッシュがあると、重宝しますよ。では、素敵な旅の思い出がみつかりますように!
露天スペースのまわりを建物がかこみ、このなかのテナントは平日も営業しています
■潘家園旧貨物市場
地下鉄1号線「国貿」駅からタクシーで約15分土日のみ、朝6:00〜夕方は16時ころになるとほとんどの売り手がひきあげてしまいます。平日も市場のなかにある建物の部分にはいっているテナントは営業しています。
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2008/02/12)
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