北京で一番おしゃれな通りで売られているレトロな飲み物とは?

この5、6年、北京で一番おしゃれと言われている南鑼鼓巷に行くと、いつもあのジュースを目にします。レトロなラベルに惹かれて飲んだことがあります。「うっ、まっず〜う…」と衝撃の味でした。南鑼鼓巷は四合院造りの伝統家屋が並ぶ胡同(路地)にカフェや雑貨屋が集まった通りです。こんな通りが北京にはなかったので、目新しさが受け、今では中国全土から観光客がやってくる人気スポットになりました。こんな注目の通りでも、必ず売られているあのジュースと言えば「北冰洋(ベイビンヤン)」です。白熊が目印の黄色い炭酸飲料です。

昔っぽい味だけど、今も北京の若者に根強い人気の炭酸飲料とは? 昔っぽい味だけど、今も北京の若者に根強い人気の炭酸飲料とは?

中国の現代史と歩んできた北冰洋

北冰洋は北冰洋食品公司の前身の北平制氷廠が1936年に発売した炭酸飲料です。1945年に会社が国有化され、1985年には再び民営化されました。国営化や民営化のたびに会社名が変わり、現在の北冰洋食品公司に落ち着きました。まさに中国の現代史とともに歩んできた会社です。北京ッ子からすれば、北冰洋は家族みんなが何十年も飲み続けている炭酸飲料です。北京ッ子にとっては特別な思い入れがある飲み物なのでしょう。そんな大切な飲み物を外国人が「まずい!」と切り捨ててすみません。でも、本当に変な味です。

北冰洋は40代の日本人にとっては懐かしい味?

ただ、40代の日本人なら癖のある北冰洋を「ああ、懐かしい」と思うかもしれません。40代の日本人が子供だった頃、駄菓子屋で売っていた粉ジュースの味に似ています。毒々しいオレンジ色の粉に水を入れて作ったジュースの薬くさい甘さを思い出します。北冰洋は北京の小さな商店や食堂なら、必ず売られています。私が初めて北冰洋を飲んだのは、北京に留学していた夏の夕方です。目の前で飛ぶように売れる北冰洋を見て、飲んでみました。この味のいったいどこがおいしいんだろう…。

北京ッ子にとって炭酸飲料と言えば北冰洋

今、中国では80年代以降に生まれた中国人とそれ以前に生まれた中国人の考え方や行動の違いが問題になっています。この20年で中国人の生活も食生活も大きく変わりました。私が北京滞在中に必ず行く中国の激辛おでんの食堂があります。ここで出会う20代の中国人カップルはスプライトやコーラではなく、北冰洋を選びます。北冰洋のほうがスプライトより少し高いのに。コーラやハンバーガーに慣れ親しんだ世代が北冰洋を飲んでいるって、とても不思議。北冰洋って、世代を問わず北京ッ子ならみんな大好きな心の味なのです。北京の下町ならどこでも買える北冰洋、ぜひ一度お試しあれ!