自由きままなひとり旅の一番の問題

「二種類注文したら、絶対、食べきれない。でも、野菜をもっと食べたい。晩ご飯がラーメンやぶっかけ飯だけなんてわびしすぎる!」。こんな風にひとり旅で一番困るのは、ごはんです。自由気ままなひとり旅は、快適そのもの。でも、食事の時だけは、ふたりで旅をしている人がうらやましくなります。ふたりなら何品も注文できて、しかも安上がり。中国を旅行している時、たまたま泊まっているユースホステルやビジネスホテルで一緒に食事に行けそうな人が見つかれば、ラッキーです。かといって、食事時だけの相棒を探すなんてのは、面倒くさい。こんな時、中国には、とにかく使えるお店があります。

四川省成都に留学時代、通っていた重慶風の味付けの涼拌屋。重慶風なのでどれも辛い 四川省成都に留学時代、通っていた重慶風の味付けの涼拌屋。重慶風なのでどれも辛い

中国人が大好きな「涼拌(リャンバン)」

そのお店は、屋台だと看板もないところもあります。でも、大丈夫。お店の前まで行くと誰にでもわかります。野菜中心のお惣菜が10種類以上並んでいます。どれも「涼拌(リャンバン)」と呼ばれる前菜です。火を通した野菜やユバなどを使い、酢、にんにく、唐辛子であえたものです。とにかく中国人は、大の涼拌好きです。市場や屋台街に行くと、涼拌を扱うお店が必ず見つかるほどです。涼拌は前菜にあたるので正確に言うと、前菜屋さんなのですが、お惣菜屋さんに近い存在です。

涼拌屋さんは、野菜不足解消だけのためならず

定番の「腐竹(フージュー)」と呼ばれる湯葉ときゅうりのあえものは、酢、にんにく、しょうが、ゴマ油などを使った万人好みの味付けです。私は、ひとり旅の野菜不足解消を補うために涼拌屋さんをよく利用していますが、それ以外でも使えるんですよ。晩ご飯の時は、絶対、お酒を飲みたいというひとり旅派におすすめです。中国には居酒屋がありません。上海や大連などの大都市では、日本風の居酒屋がありますが、中国の居酒屋というのはないのです。中国では、レストランや食堂で普通の料理をつまみながら飲みます。

おつまみ向きの涼拌には何がある?

中国人が涼拌好きというのは、涼拌がビールや白酒のおつまみにぴったりだからかもしれませんね。涼拌の中でも「皮凍(ピードン)」という料理があります。これは豚の皮を細切りにしてゼリー寄せにしたものです。涼拌屋さんなら必ずある人気のおかずですが、屋台とは思えないハイレベルなできあがりです。また、豚の胃袋の「皮肚(ピードゥー)」のあえものもコリッとした食感が美味しく、おつまみ向きです。量り売りで指さすだけで注文できる涼拌屋さんをうまく活用して、ひとり飯もひとり酒ももっと楽しみましょう!