油っこい料理を食べた後の口の中が、一気にさわやかになる料理

油っこい料理を食べた後に一口つまむと、ツ~ンとした辛味とその後に来る酸味で口の中が一気に変わった感じ。さっきまでの油っこさが嘘みたいに消えています。お漬物とは一味もふた味も違う不思議な味。これは北京料理の「芥末トン(土へんに敦)」です。クルンと丸めた白菜の上にかかっている芥子(からし)色のソースは、見た目そのままの芥子で作ったソースです。わさびは日本独特の香辛料ですが、練り辛しも日本にしかない香辛料だと思っていました。芥末トンの辛味は、練り辛しのものに似ています。お酢も入っているので、ツ〜ンとした感じが加わり、パンチがきいた辛さになります。

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白菜がやってくると、北京はもう冬!

芥末トンは、北京の料理好きのおかあさんなら必ず手作りすると言われている家庭料理でもあります。白菜は、北京では冬の訪れを知らせる野菜です。北京の家庭では、とにかく大量の白菜を食べます。今ではマンションが多くなり、見られなくなりましたが、90年代ごろまでは、冬になると、冬の間食べる白菜を家の前に山のように積み上げていました。これが見られるようになると、芥末トンの季節です。作り方は、簡単。切った白菜の葉っぱをくるんと丸めてゆでます。その間に粉末の芥子を熱湯でとき、酢、砂糖、塩を加えてタレを作っておきます。ゆであがった白菜をお湯から出して、この芥子ソースに漬けこみ、そのまま1日以上おいておくだけでオッケー!

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地味だけど年夜飯には欠かせない!

この芥末トンは、北京の伝統的な「年夜飯(ニェンイェファン)」には欠かせません。年夜飯とは、旧正月の大晦日の夜に家族や親戚一同が集まって食べるごちそうのことです。白菜で作る冷菜なので、肉あり、魚ありの年夜飯のごちそうの主役にはなれませんが、あれこれ料理を食べた後、特に肉料理を食べた後などにつまみたくなる料理です。お口直しに欠かせない料理なのです。そのため「芥末トンは、年夜飯の冷菜の中の主役だ」と言う人もいるそうですよ。

北京ダックと一緒にいかが? 餃子にもあいますよ!

この北京ッ子が熱愛する芥末トンは、北京料理のレストランや北京風の餃子を出す食堂には、必ずと言っていいほどメニューに載っている料理です。北京ダックのレストランにもありますよ。初めて食べた時、見た目で辛いってことはわかってましたが、ツ〜ンと来る辛さと酸味にびっくり。酸っぱいけれどピクルスのような甘味はなし。シャキシャキした白菜の食感ともぴったりで、はまってしまいました。今では、野菜の炒めのかわりに芥末トンを選ぶぐらいです。見た目は、いまひとつですが、北京でレストランに行ったら、芥末トンを試してみて下さいね!

レストランで食べると、見た目はおしゃれっぽくなるけれど、辛さと酸味は食堂のものと同じ レストランで食べると、見た目はおしゃれっぽくなるけれど、辛さと酸味は食堂のものと同じ