北京で手に入る「悦食」とは、どんな雑誌?

「悦食」という食をテーマにした中国の雑誌があります。写真をふんだんに使い、イラストもかわいく、レイアウトもおしゃれ! とにかく写真を眺めているだけでも楽しい雑誌です。どういうわけか北京の書店でしか見かけないので、北京に行くと、新刊を買うようにしています。「悦食」の18号は、朝ごはん特集でした。日本人も大好きな飲茶は、中国南部の広州の朝ごはんです。飲茶の部分でこんな文章を見つけました。人気飲茶点心のひとつである「榴蓮酥(リュウリェンスー)」について書かれた文章です。「ドリアンを好む人は多いが、それと同じぐらい苦手な人も多い。ただ、ドリアンの皮をむき、榴蓮酥にしてしまうと、(あまりの美味しさに)ほとんどの人が拒絶はできない」。

飲茶点心の「榴蓮酥」。広州では人気飲茶点心のひとつ 飲茶点心の「榴蓮酥」。広州では人気飲茶点心のひとつ

飲茶の人気点心のひとつ、「榴蓮酥(リュウリェンスー)」とは?

「榴蓮酥(リュウリェンスー)」とは、ドリアンパフのことです。サクッとしたパイ生地の中にとろんとしたドリアンクリームが入っています。この文章を書いた人は、どうみてもドリアンが好きな人ですね。私は、ドリアンのにおいが全くダメなので榴蓮酥も苦手です。もちろん、自分からは、注文なんてしません。でも、広州で中国の友人と一緒に飲茶に行くと、珍しくておいしいものを食べさせてあげようという気持ちから注文してくれるのです。友人に悪いので、少しは食べます。食感は変わりますが、苦手なあのにおいは健在です。一口かじると、口の中に何とも言えない嫌なにおいが充満して、私はここでノックアウトです。

北京版「榴蓮酥」は、中国の若者に人気のスナック!

この榴蓮酥ですが、2014年頃から北京で流行っています。北京の中心部にある南鑼鼓巷は、中国全土から観光客がやってくる超人気観光地であり、若者に人気のデートスポットにもなっています。四合院造りの伝統家屋が並んでいる路地には、雑貨屋、カフェをはじめ、たこ焼き、名物の牛乳プリンなど、いろんな食べ物が売られています。ここに行けば、今、北京で人気のお店や流行っているスナックがわかるのですが、ここにもあるのですよ。榴蓮酥が! 南鑼鼓巷に行くと、串にさした榴蓮酥を食べながら歩いている若者が目につきます。榴蓮酥は、北京の人気のスナックになっていました。上海や南京などの大都市でも流行っている可能性は十分ありです。もしかしたら全国区で人気があるのかもしれません。

南鑼鼓巷で売られている榴蓮酥(リュウリェンスー)。看板がなくても、近づくと、においでお店がわかります 南鑼鼓巷で売られている榴蓮酥(リュウリェンスー)。看板がなくても、近づくと、においでお店がわかります

榴蓮酥は、もしかしたら全国区で人気のスナック?

中国南部の広東省に行くと、ドリアンは、ごく普通に果物屋さんで売られています。北部の果物屋さんでも一応は売られていますが、珍しい果物の位置づけで、あまり売れているようには見えません。北京で本物のドリアンを見かけた時、中国版ラインのウイチャットに「ドリアンはやっぱり苦手」と書きこんでみました。即座に大連や北京などの北部出身のドリアンに慣れ親しんできたとは思えないような中国の友達から「どうして? おいしいのに!」というコメントが入ります。誰ひとりとして「私もあのにおいがダメ」とは書いてくれません。中国人って、意外や意外、大のドリアン好きな人たちかもしれません。

南鑼鼓巷の榴蓮酥は、ココナッツ入り。臭いがするクリームコロッケのような感じ 南鑼鼓巷の榴蓮酥は、ココナッツ入り。臭いがするクリームコロッケのような感じ