北京の冷麺は、少数民族の民族料理?

いくらカラッと湿気が少なく、日本より過ごしやすいとは言っても北京の夏は暑い! こんな日のお昼ごはんは、さっぱりした冷麺が食べたくなります。しかし北京には、冷麺がないのでした。ああ、食べたい。中国で冷麺と言えば、東北地方に住んでいる少数民族の朝鮮族の麺です。韓国に行ったことがある日本人なら食べたことがある、あの冷麺です。北京にも有名な朝鮮族の冷麺のチェーン店があるのですが、私はそのお店の冷麺が苦手。そのお店でなくても中国では、韓国ほど冷麺のスープがきりっと冷えていません。スープの味にもシャープさがなく、冷麺のさわやかさが、足りていない気がします。

中国でおいしい冷麺を食べたいなら、ここがおすすめ!

朝鮮族の冷麺は、かつて満州と呼ばれた中国の東北地方に行くと、おいしいものが食べられます。遼寧省や吉林省は、北朝鮮と国境を接しており、朝鮮族も多く住んでいるので、冷麺の本場です。韓国の冷麺とは、やや違っていますが、ムチムチした食感の冷麺が本当においしい。それじゃ、冷麺がない中国の他の地方では、夏に何を食べているかと言うと、涼麺(リャンミェン)です。上海、北京、四川など、中国各地にあるので、名前は同じでも地方によって見た目も味付けも全く異なる涼麺です。わかっていることは、ただ一つ。涼麺って、どこで食べても、日本人がイメージしているであろう冷麺とは、全然、違うってことです。

瀋陽で食べた朝鮮族の冷麺。韓国の冷麺ほど、スープがきりっと冷えてはいないが、おいしい 瀋陽で食べた朝鮮族の冷麺。韓国の冷麺ほど、スープがきりっと冷えてはいないが、おいしい

中国に冷麺がない理由とは?

中国の涼麺は、冷たいスープには入っていない、汁なしの混ぜ麺です。しかも常温。火を通した麺を常温に冷ましておき、タレをかけて食べます。冷やしたトマトやきゅうりのトッピングもありません。ただ、熱々ではないので、涼麺と呼ぶのかもしれません。これじゃ、日本人には、冷たさも涼しさも全く足りていません。ひんやり、さわやかな味を求めて注文すると、激怒りです。でも、中国ではこの涼麺が夏の麺なのです。中国人は体を冷やすことを非常に嫌います。冷蔵庫で冷やしたお茶を飲む習慣もないぐらい。だから冷麺が存在しないのではないでしょうか? 冷たさに日本人ほどこだわらない中国人は、どの地方の人であれ涼麺が大好きです。夏を感じると、すぐ涼麺を食べ始めます。

芝麻醤の酢を混ぜたタレをかけたタイプの北京の涼麺。お酢が入ったさっぱりダレがおいしい 芝麻醤の酢を混ぜたタレをかけたタイプの北京の涼麺。お酢が入ったさっぱりダレがおいしい

ここまで好きなのは、ちょっと異常? 北京ッ子の涼麺好き

北京の涼麺は、麺の上にみそダレやごまダレをかけたものです。必ずと言ってもいいほど、巨大なきゅうりが添えられており、見た目は涼しそうです。北京っ子の場合、かなりの涼麺好きです。実は1年中あります。平均気温がマイナスを下回る1月、2月には、さすがに食べている人を見かけることはありませんが、3月のよく晴れた、暖かい日になると、食べる人が現れます。急激に気温があがる4月になると、涼麺を食べている人が一気に増え、初夏ともなると、ほとんどのお客が涼麺を食べているぐらいの状況になります。日本人には全く涼しくない麺ですが、涼麺は、中国の夏の味です。涼麺を見かけたら、ぜひ、お試しあれ!

日本の八丁味噌に似た黄醤ベースのタレをかけた北京の涼麺。黄醤がしょっぱいので、涼麺もややしょっぱい 日本の八丁味噌に似た黄醤ベースのタレをかけた北京の涼麺。黄醤がしょっぱいので、涼麺もややしょっぱい