今、中国でちょっと昔の中国風レストランが流行っている理由

モノクロの家族写真が飾られた額、色あせたチェックのカーテン。レストランと言うより70年代や80年代の農村の家にいるみたい。中国人でなくても懐かしい気分になります。今、北京には、ちょっと昔の中国を思わせるインテリアのレストランが数多くあります。中国は、この数十年、ものすごい勢いで変化を遂げ、スマホを使った決済などは、日本よりもずっと進んでいます。北京にいると、あまりにも急に発展したことへの反動なのか、のんびりしていた70、80年代を懐かしむ風潮が起きているのを感じます。昔の中国風のレストランが受けているのも、そんな時代の風潮と関係がありそうです。

「董事児」のレトロな店内。東城区東直門外斜街察慈小区11号楼、10時から21時、年中無休。地下鉄2号線「東直門」駅、BかH出口より徒歩5、6分 「董事児」のレトロな店内。東城区東直門外斜街察慈小区11号楼、10時から21時、年中無休。地下鉄2号線「東直門」駅、BかH出口より徒歩5、6分

一世風靡した「革命主題餐庁」って、どんなレストラン?

昔の中国風レストランが流行る前は、「共産主義万歳!」、「知識青年到農村去(知識青年は、農村に行こう)」と言ったスローガンが壁中に貼られたレストランが急に増えた時期がありました。「紅色革命主題餐庁」や「革命主題餐庁」と呼ばれ、1966年から始まった文化大革命をテーマとしたレストランです。質素な木製のテーブルとイスが並ぶ会議室のような店内で動き回っているのは、もちろん紅衛兵のかっこうをした女性スタッフ! 肝心の料理は、ブルジョア階級を敵視した時代にちなんで、質素なものばかりかと思えば、そこは現代中国らしく意外と普通だったそうです。一度、行ってみたいと思っているうちにブームが過ぎてしまいました。

文革期に描かれたプロパガンダ芸術で飾られているのが、革命レストランの特徴 文革期に描かれたプロパガンダ芸術で飾られているのが、革命レストランの特徴

北京の東直門にある「董事児」レストラン

革命主題餐庁ブームが去った後、増えてきたのが、ちょっと昔の中国風レストランです。2016年5月18日に北京の東直門にオープンした「董事児(トンシャー)」もその一つです。中国のインターネットサイト「本地宝」の2016年5月12日の記事を読んでみました。董事児は、本格的な北京料理だけでなく、宮廷料理も味わえる北京料理文化をテーマにしたレストランです。「老北京」と呼ばれる伝統的な北京を体験できるようになっています。そのため、四合院造りの家屋が並ぶ「胡同(フートン)」と言う路地の雰囲気を作っているそうです。董事児のインテリアは昔の中国風だと思っていましたが、老北京風だったんですね。

極薄の春餅で巻いて食べる北京ダック。やや脂っこいが北京に行ったら、やはり食べてみたい! 極薄の春餅で巻いて食べる北京ダック。やや脂っこいが北京に行ったら、やはり食べてみたい!

董事児で食べてみたい! おすすめ北京料理

董事児では、緑豆で作ったおからの「麻豆腐(マードウフ)」、白菜の芥子漬けの「芥抹(ジエモー)トン(土へんに敦)」などの北京名物を味わえます。麺好きなら一度は、食べてみたい「ジャー(火へんに乍)醤麺(ジャンミェン)」もおいしいです。北京は、中国でもしょっぱい味付けを好む地方です。董事児のジャー醤麺の味噌も、ややしょっぱめ。しょっぱい味付けが苦手な人には、おすすめませんが、これが老北京の味。また、家庭料理だけでなく、董事児の北京ダックも人気です。それにしても次々と新しいテーマのレストランが現れる北京。次は、いったいどんなレストランが登場するのか気になります。今は、老北京の世界が体験できる董事児で、老北京の味を楽しんでみませんか!

標準よりやや細い麺がおいしいジャー醤麺。北京の家庭では、よく作る料理のひとつ 標準よりやや細い麺がおいしいジャー醤麺。北京の家庭では、よく作る料理のひとつ