春餅で巻いて食べるからこそ、味が完成する北京ダック

ほぼ1年ぶりの北京。久しぶりに大好きな北京カオ(火へんに考)鴨を食べました。6日間の滞在で2回、北京ダックを食べに行き、大いに満足。これで1年がんばれます。北京ダックは、日本で食べると、どういうわけかパリパリに焼いた皮の部分しか出てきませんが、中国では肉もしっかり食べます。「春餅(チュンビン)」と呼ばれる、薄く焼いた小麦粉生地に甜麺醤を塗った北京ダックを一切れ、二切れのせ、きゅうりと白髪ねぎと一緒にくるっと巻いて食べます。みそのほど良い甘味と辛味が鴨肉とあいます。また、脂っこい鴨肉には、みずみずしいきゅうりがぴったり。このパーフェクトなおいしさは、くるっと巻く粉ものがあるからです。粉もので包んで食べるから、味が決まります。

春餅は、薄いほうがたくさん食べられるので助かる。中に入れるきゅうりは非常に重要。きゅうりを入れるので口がさっぱりする 春餅は、薄いほうがたくさん食べられるので助かる。中に入れるきゅうりは非常に重要。きゅうりを入れるので口がさっぱりする

ごはんのかわりに粉ものが出ている北方のレストラン

西南部の四川省や雲南省でレストランに行くと、どのテーブルにもごはんがあります。麻婆豆腐あたりは、ごはんと一緒に食べると本当に美味しい。米を主食とする地方の料理は、やはりごはんに合います。これが粉ものを主食とする北京のレストランとなると、どのテーブルにもごはんは見当たりません。東北料理のレストランなら水餃子がごはんのかわりです。先日、私が訪れた北京料理のレストランでは、ほとんどのテーブルに炸醤麺(ジャージャンミェン)が載っていました。麺でなければ、「餅(ビン)」などの粉ものでした。中国では「餅」と言えば、小麦粉生地を薄く伸ばして焼いたもので、主食の一種です。

老許記民族酒楼の人気料理「宝塔肉」。豚バラ肉の醤油煮は、日本人の口にあう 老許記民族酒楼の人気料理「宝塔肉」。豚バラ肉の醤油煮は、日本人の口にあう

北京で食べた「黒肘子」とは、どんな料理?

北京は、粉もの文化の本場だけあって、餅に巻いたり、挟んで食べるのが一般的です。先日、初めて「黒肘子(ヘイジョウズ)」と言う豚のもも肉の煮込みを食べました。煮込みと言っても、とろ火で煮込んだものを冷まして、薄くスライスしたものです。一緒に出てきたのは、焼きたての「烙餅(ラオビン)」です。烙餅は、層になった生地のお焼きです。中国人が「焼きたてを食べだすと、止まらないほど美味しい」と言うだけあって、本当に美味しい。豚のもも肉のスライスに甜麺醤をつけ、きゅうりと一緒に烙餅で巻いて食べると、感動ものの美味しさ。しっとりした春餅と違い、烙餅はさっくりした食感ですが、ハムのような肉とあいますね!

右端の四角く切られたものが烙餅。このままで食べても十分おいしい! 薄くスライスした肘子は、お酒のおつまみにもいい感じ! 右端の四角く切られたものが烙餅。このままで食べても十分おいしい! 薄くスライスした肘子は、お酒のおつまみにもいい感じ!

どこにでもある料理でも北京で食べると、こんなに違う!

また、「紅焼肉(ホンシャオロウ)」と呼ばれる豚バラ肉のしょうゆ煮込みは、どこにでもある普通の料理です。北京で食べると、ふんわりした蒸しパンの「饅頭(マントウ)」とセットで出てくるところもあります。北京中心部の繁華街、大柵欄に近い「老許記民族酒楼」では、紅焼肉のことを「宝塔肉(バオダーロウ)」といいます。塔に見立てた盛り付けなので、宝塔肉と呼ぶのですが、ふんわりした蒸しパンのような「饅頭(マントウ)」に豚ばら肉の煮込みを挟んで食べると、おいしい! この夾む食べ方を知ってしまうと、肉だけを食べると、もの足りません。やはり北京の料理には、粉ものがあいます。粉ものがあってこそ、完成する料理もあるのです。こんな北京の食文化が大好きですが、問題は、異様におなかいっぱいになることです。

老許記民族酒楼(西城区南新華街58号。瑠璃廠のすぐ南側)はリーズナブルで美味しいのでおすすめ! 老許記民族酒楼(西城区南新華街58号。瑠璃廠のすぐ南側)はリーズナブルで美味しいのでおすすめ!