粉ものを主食とする北方の旅の楽しみ

中国の北方の旅の楽しみは、粉ものを食べまくれること! 中国では薄く伸ばして焼いた小麦粉生地のことを「餅(ビン)」と言います。長江より北側の地方では、小麦粉を主食とする小麦粉文化圏です。表通りから1本裏通りを歩けば、粉ものを売るお店や屋台がすぐに見つかります。餅を焼く窯やオーブンから焼きたてを取り出すところに出くわしたら、ダダッと走って行き、1枚買ってしまいます。物価が上がり続けている中国ですが、伝統的な粉ものは安く、内陸部なら1枚1、2元(約18か36円)です。こんなにお安く、ハズレが少ないので、味見をせずにはいられません。

名前は不明。甘粛省東部の天水に近い村で食べた餅。外はさっくり、中はふんわり。表面は黄色いがカレー味ではない。1個2元(約36円) 名前は不明。甘粛省東部の天水に近い村で食べた餅。外はさっくり、中はふんわり。表面は黄色いがカレー味ではない。1個2元(約36円)

中国北方の定番中の定番、烙餅

中国各地に名物の餅がありますが、烙餅は、北方ならどこでも食べられる定番中の定番です。烙餅は、層になった薄い生地で、ほのかな塩味です。層になっていますが、パイのようにサクサクした食感でもなく、しっとりでもなく、ちょうど中間。北京の烙餅は、大きな丸い鉄板で焼いたものです。買う時は、好きなだけ切ってもらう量り売りです。焼きたてを見つけると、買わずにはいられません。買ったその場で袋から取り出し、速攻食べ始めます。すると、いつも北京留学時代に北京人の先生から聞いた言葉を思い出します。

北京の中央民族大学の学食で買った烙餅。定番中の定番なので学食でも売られている 北京の中央民族大学の学食で買った烙餅。定番中の定番なので学食でも売られている

見た目は地味でも美味しすぎて、危険な烙餅

「焼きたての烙餅を食べだしたら、美味しすぎて止められない。烙餅は、危険な食べ物」。本当に先生のおっしゃる通り! 焼きたての烙餅を途中で食べるのをやめるって、強い意志が必要。残念なのは、こんなに美味しい烙餅なのに、烙餅を食べる旅行者がほとんどいないこと。どこにでもありすぎるので名物として紹介されないばかりか、見た目も地味。具もなく、表面にゴマもついていません。グルメと言うほど大げさな食べ物ではありませんが、北方の中国人ならみんな烙餅が大好きなのでは?

朝ごはんやおやつとして人気が高い煎餅果子。見た目もおいしそうなので、外国人旅行者にも人気 朝ごはんやおやつとして人気が高い煎餅果子。見た目もおいしそうなので、外国人旅行者にも人気

朝ごはんと言うより主食の烙餅

北京では、朝は地下鉄の駅の近くには、粉ものの屋台がでます。豆乳と何か粉ものを買って、出勤する若者が目につきます。人気があるのは、「煎餅果子(ジエンビングオズ)」や「鶏蛋灌餅(ジータンガンピン)」と言う生地にみそを塗って、カリカリにあげた小麦粉生地やレタスや卵などの具を巻いたものです。やはり具なし、みそなしの烙餅は、見た目のインパクトが弱く、朝ごはん向きではないのかもしれません。しかし烙餅は、屋台だけでなく、北京料理のレストランでも食べられます。肉を巻いて食べると、ほど良い塩味で一層美味しい。烙餅は主食の一つです。粉本来の味を楽しめ、一緒に食べるものを決して邪魔しない。北方の町のどこかで烙餅を見つけたら、トライしてみて下さいね。

豚のもも肉を烙餅で巻いて食べる料理。写真を見ると、烙餅が層になった生地だということがよくわかる 豚のもも肉を烙餅で巻いて食べる料理。写真を見ると、烙餅が層になった生地だということがよくわかる