北京名物のしゃぶしゃぶ「シュアン羊肉」とは?

北京留学時代は、たったひとりでも「シュアン(さんずいに刷)羊肉(ヤンロウ)」を食べていました。これは北京名物のしゃぶしゃぶ。とは言っても肉は、牛じゃなくて羊です。2018年の今でこそ中国は、牛肉ブームですが、もともと羊のほうが一般的。北京版しゃぶしゃぶも羊肉です。薄くスライスした羊肉をスパイス入りのお湯にさっとくぐらせて、ごまダレにつけて食べるとあー、美味しい! ごまダレには、辣油と香菜もたっぷり。「韮菜花醤(ジュウツァイホアジャン)」と呼ばれる韮の花のペーストもちょっぴり。これは北方の中国人が熱愛する調味料のひとつ。しゃぶしゃぶには必須の調味料です。私は韮花菜醤の美味しさがよくわからないのですが、「北方に来た!」という気分が出るので、加えています。

銅鍋のシュアン羊肉。ひとりで食べに行ったので、具は少な目。いろんな具は食べられないが、銅鍋のシュアン羊肉をひとりで食べるのもおすすめ! 銅鍋のシュアン羊肉。ひとりで食べに行ったので、具は少な目。いろんな具は食べられないが、銅鍋のシュアン羊肉をひとりで食べるのもおすすめ!

初めてシュアン羊肉を食べたのは、日本人も知っているあの人!

さて、北京名物のシュアン羊肉は、モンゴル人のフビライが始めた料理だと言われています。1260年より昔、フビライが遠征中に突然、羊を食べたくなり、兵士のヘルメットを鍋代わりにして食べたのが始まり。遠征中なので簡単な調味料しかなかったのに美味しく、しかもその後の戦いで勝利を治めたので、凱旋後も食べるようになったそうです。元の皇帝になったフビライが始めた料理なので、シュアン羊肉は宮廷料理になり、その後、民間に伝わりました。しょうが、クコの実、なつめなどを入れたお湯を沸かして、肉と胡麻ダレを用意するだけでオッケー。誰でも簡単に作れるシュアン羊肉は、北京では家庭料理のひとつになりました。

ごまダレの上にかけたピンクのものは腐乳。その横に見える緑のものが韮菜花醤。腐乳と韮菜花醤は、シュアン羊肉を食べる時には、欠かせない ごまダレの上にかけたピンクのものは腐乳。その横に見える緑のものが韮菜花醤。腐乳と韮菜花醤は、シュアン羊肉を食べる時には、欠かせない

最近のシュアン羊肉の流行とは?

シュアン羊肉ですが、2010年(?)頃から何人で行っても一人用の小鍋で別々に食べるスタイルが流行っています。「呷哺呷哺(シャブシャブ)」は、大型ショッピングモールには必ず入っていると言ってもいい一人鍋のシュアン羊肉のチェーン店です。自分のペースで食べたい、みんなで一つの鍋をつつくのは苦手など理由はさまざまですが、ひとりシュアン羊肉は、若者を中心に受けています。私も「呷哺呷哺」や他の店でも1人用鍋で食べたことがあります。特に「呷哺呷哺」は、ひとり旅の外国人には非常に便利。味は文句なしでしたが、本当に寒い日は、やはり伝統的な銅鍋で食べるシュアン羊肉が恋しくなります。

一人鍋は、マイペースで食べられるのが魅力。写真は、牛街の人気店「聚宝源」 一人鍋は、マイペースで食べられるのが魅力。写真は、牛街の人気店「聚宝源」

銅鍋シュアン羊肉を食べに行こう!

紫禁城の玄関口にあたる前門の胡同(路地)に行くと、食堂の軒先にずらっと銅鍋が並んでいます。並んだ銅鍋は、北京の冬の風物詩のひとつ。銅鍋の真ん中の煙突のような部分の蓋をずらして、中に焼けた炭を入れます。銅は熱伝導率が高いので、しょうがやクコの実などが入ったお湯があっという間に沸いて来ます。さあ、肉を入れます。脂身が多い羊肉もシュアン羊肉にするとさっぱり。本当にいくらでも食べられそう。凍豆腐、湯葉、ほうれん草をガンガン入れます。火鍋に欠かせない幅広春雨の「寛粉(クァンフェン)」もはずせません。最後は粉もの文化圏らしく、麺でしめるのがおすすめ。バスを待つのが辛いぐらい寒い日も銅鍋でシュアン羊肉を食べた後は、いつまでも体がぽかぽかな気がします。北京の冬は、銅鍋のシュアン羊肉を食べて、あったまりませんか!

前門の近い廊坊頭条には、シュアン羊肉の食堂が並ぶ。並んだ銅鍋を見ると、入りたくなる 前門の近い廊坊頭条には、シュアン羊肉の食堂が並ぶ。並んだ銅鍋を見ると、入りたくなる