- 浜井幸子
- 京都在住の神戸人。19歳の時、人生初の海外旅行で中国に行き、何が飛び出してくるかわからない中国の魅力にはまる。その後、成都と北京に語学留学し、現在は主に中国の食と旅をテーマに執筆活動中。中国の粉もの文化を中心としたアジアの食が得意分野。著書に「シルクロードおもしろ商人スクラップ」、「中国まんぷくスクラップ」などがある。
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中国で賃貸物件に住むのは精神的にきつい! とにかく厳しい中国賃貸事情
北京に住む中国人の友人はマンションを1室持っています。その友人が「家賃収入は100%失敗しない投資のようなものよ。中国の家賃は値上がり続けるから」と言うのです。「ずっと値上がりし続けるものなど、この世にはないと思う」と反論すると、「あなたは日本人だから、中国のことを理解していない」と不機嫌になります。確かに中国の賃貸物件の家賃は値上がりを続けています。実際、友人はわずか2年の間に家賃を月額で2000元値上げしました。2000元と言えば、日本円に直して3万円以上です。
「たった2年で3万円以上も家賃を値上げするなんて!なんて強欲なんだろう」と、思ってしまいます。これは中国の大都市では珍しいことではありません。日本人の眼には強欲に見える友人も、中国ではごく普通の大家さんです。中国の賃貸物件の家賃は異常ともいえる速さで上がっていくからです。投資用にマンションを買う人が多いので、実際、自分が住む人は少ないという話も聞きます。賃貸物件はだぶついているので家賃は安いなんて噂もありますが、そうではないようです。
北京で婚活中のもうひとりの中国人の友人は今、借りている部屋のことで悩んでいます。友人の会社は、北京の丸の内とも言える地下鉄「国貿」駅にあります。友人宅からバス一駅で地下鉄に乗ることができる今の部屋は理想的な環境です。それなのに「大家さんがそろそろ私に出て行ってほしいと思っている」と言います。この部屋に住んで、2年ですが、家賃の値上げは2回ありました。あわせて日本円で月額1万2千円ほどです。大家さんから見れば、住人はどんどん変わるほうが家賃を値上げしやすいのです。2年も住んでいる友人には、そろそろ出て行ってもらい、新しい住人に入ってもらいたいのです。
2年で家賃を月額3万円値上げした友人は、外国人家族に部屋を貸していました。この家族が帰国したので、新しい借りてが現れました。それで一気に3万円の値上げができました。住人が引っ越さなくても、家賃の値上げは毎年あります。付近にショッピングモールができたり、地下鉄が開通しようものなら、値上げの幅はグッと大きくなります。中国で賃貸物件に住むってことは、毎年、家賃の値上がりにハラハラすることです。だから中国人はマンションの部屋が、どんなに高額でも買いたいのです。値上がり続ける家賃のプレッシャーから逃れたいと思う中国人の気持ちもわかります。中国の賃貸事情、日本人には厳しすぎます。
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2015/01/20)
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