今、注目の観光地「南鑼鼓巷」の始まり

週末の午後ともなると、身動きとれないほどの人、人、人。若いカップルや観光客でごったがえすここは、北京中心部、故宮の北側に位置する「南鑼鼓巷(ナンルオグーシャン)」です。2006年頃の南鑼鼓巷は、こじゃれたカフェや雑貨店がポツンポツンとある胡同でした。すぐ近所にある中央戯劇学院の留学生が開いたおしゃれな店は、当時、ものすごく新鮮でした。「胡同」は中国の北方の言い方で路地という意味があります。四合院造りの伝統家屋が並ぶ胡同に、それまで無かったおしゃれな店があるというのが、一部の流行に敏感な若者に受けたのです。それが、2008年の北京オリンピック頃から急に観光客が増えました。

革命プロパガンダ風外観のレストラン。南鑼鼓巷には個性的なお店が多い 革命プロパガンダ風外観のレストラン。南鑼鼓巷には個性的なお店が多い

北京で一番高い? 南鑼鼓巷の家賃

今、この南鑼鼓巷は、北京で一番人気がある観光地です。北京五輪前の静かな胡同だった頃が、信じられないほどです。集客力抜群なので、南鑼鼓巷の店舗の家賃は青天井です。間口も狭く、雑貨屋ぐらいしかできない小さな店舗の月額家賃が40万円とも年間800万円とも言われています。そのため、南鑼鼓巷の物価の高さは突出しています。最近の中国は、日本のたこ焼きブームです。南鑼鼓巷でたこ焼きを食べると、小さなたこ焼き3粒が25元(約500円)。生のミントを浮かべただけのミントティーのテイクアウトが20元(約400円)です。こうなると、南鑼鼓巷に住んでいる北京ッ子の生活も大きく変わってしまいました。

南鑼鼓巷に住んでいる北京ッ子の生活にも変化あり!

季節が良い時期は、南鑼鼓巷は朝から晩まで観光客でいっぱいです。夜中まで営業しているバーやレストランの騒音も問題です。家賃の高騰により、店舗として貸し出せる通り沿いの部屋を持っている住民と持ってない住民の間に大きな格差が生まれました。その結果、人間関係がおかしくなったと言われています。「部屋を売れ!」と言う怪しい電話も頻繁にかかってきます。住民もここまで南鑼鼓巷が注目される通りになるとは思ってもみなかったことでしょう。家賃高騰、騒音、怪しい電話と同じぐらい困った問題もふりかかってきました。

南鑼鼓巷でよく見かける、あの貼り紙

観光客が、勝手に個人の家の敷地内に入り、写真を撮りまくります。四合院造りの家は、真ん中に中庭があり、それを取り囲むように部屋があります。中庭に入り込んだ観光客が、生活感のある風景を写真にとり、ネットにアップします。住民の普通の生活が失われてしまいました。今、南鑼鼓巷では、「私人宅! 謝絶参観!(個人の家ですよ。参観お断り)」の貼り紙が目につきます。北京に行ったら、日本人も必ず行くと言ってもいい南鑼鼓巷ですが、くれぐれも個人宅には入り込まず、お静かに観光願います!