おもしろい名前が見つかる、胡同の歴史

炒豆、黒芝麻(ゴマ)、羊肉、金魚など、赤い看板には、日本ではかなり珍しい名前がついています。これは、全部、北京の路地の名前です。赤い看板で統一しているのもかわいいですが、金魚通りなんて、ネーミングもかわいい! 中国の首都、北京の旧城区を中心に点在している路地のことを「胡同(フートン)」と言います。胡同とは、1267年、モンゴル人の王朝、元が北京を都と定めた時からの呼び方です。元の規定では、幅9.3メートルの通りを胡同と名付けたようです。また、胡同は、モンゴル語の井戸と同じ発音です。そこから意味が転じて、住宅地を指す言葉になったとの説もあります。850年近い歴史を持つ胡同は、都市としての北京の歴史そのものとも言えます。

炒豆胡同は、南鑼鼓巷の南部にあります。東西に約640メートルの小さな胡同です 炒豆胡同は、南鑼鼓巷の南部にあります。東西に約640メートルの小さな胡同です

今、北京で人気の胡同巡りに行ってみよう!

さて、この胡同巡りは、今や北京観光の目玉の一つになりました。三輪車に乗って、故宮の北側に位置する南鑼鼓巷や后海周辺を観光するというものです。この付近は、清朝の頃、官僚が住んでいた地区です。そのため胡同の中に伝統建築の四合院造りの家屋が数多く残っています。今も四合院の家で北京ッ子が生活しているので、中はほとんど見せてもらえません。でも、四合院の家をぶらぶら見ていると、どうしても胡同の名前に目がいきます。帽児(帽子)、藕芽(れんこんの芽)などなど、どうして、こんな名前がついているのか、気になります。

胡同の名前の成り立ちはいろいろ

胡同の名前の成り立ちは、宮廷が名付けたもの、貴族の屋敷や名前からとったもの、池や市場に関係したものなど様々です。食品や道具の名前がついている胡同も数多くあります。南鑼鼓巷に近い黒芝麻、炒豆を始め、剪刀(ハサミ)、缶児(缶)などなど。食品や道具の名前の胡同を見ると、「昔、ここにそれを売るお店が集まっていたのかな?」と思いがちですが、そうじゃないようです。これらの胡同の名前は、住民が、自分たちでつけたものです。自由に命名するので、同じ名前の胡同が何か所にも存在します。例えば、「梯子(はしご)」胡同などは、9か所もあったそうです。

食品や用具の名前をつけた理由とは?

食品や道具から名前をとった胡同は、小さなところが多いのが特徴です。これは住人が自分たちが住んでいるところを説明する時、便利なように、身近にあるものを名前をつけたのが始まりと言われています。日本人には、めずらしい食品や道具の名前がついた胡同は、庶民の生活から生まれた知恵でした。胡同巡りをする時、かわいい名前の胡同を探すのも楽しそうです。それにしても 自分が住人なら、鞭子(むち)胡同や椅子胡同、卓腿(机の脚)胡同より金魚胡同や黒芝麻胡同など、かわいい名前の胡同に住んでみたいですよね!