中国らしい、そうでない? 珍しい塔がある五塔寺

一見、中国らしいのか、らしくないのかわからない塔です。でも、見ごたえがあるってことはわかります。五塔寺は、約2年かかった修復工事を終えて、2016年1月にやっと再オープンしました。場所は、北京海淀区の動物園のすぐ北側にあります。5つの塔があるので五塔寺と呼びますが、正式名は「真覚寺」です。明代のはじめ永楽年間(1403〜1424)に建設が始まったので、600年近い歴史があります。動物園の北側を流れる細い川沿いの道を進んで行くのですが、この川が長河です。

五塔寺の金剛宝座。五塔寺へは「白石橋東」に止まるバスなら、どれに乗ってもオッケー! 五塔寺の金剛宝座。五塔寺へは「白石橋東」に止まるバスなら、どれに乗ってもオッケー!

知らなかった! 五塔寺沿いに流れる長河の歴史

長河は、明代、清代を通して、北京で唯一の御用河川です。今では、ただの細い川ですが、金や元の時代には、皇帝やその后たちが遊覧船に乗って、五塔寺があるあたりまで遊びに来ていたと言われています。明代に入って、長河の北岸に五塔寺が建立されました。清代の乾隆帝の時代になると、母の長寿を願って、5回も修復工事をするなど、五塔寺は、名があるお寺でした。清朝末期になり、長河が使われなくなると、五塔寺の名前も徐々に忘れられていったと言われています。北京には故宮博物院や天壇などの世界遺産が多いので、五塔寺はそれらと比べるとマイナーです。

五塔寺は、いったいどこの国の文化との融合?

北京では、マイナーの部類に入る五塔寺ですが、「中国の伝統建築と外来文化の融合の傑作」と言われ、歴史的には非常に重要なお寺です。外来文化が混じっているので、五塔寺を見たとき、中国らしいのか、そうでないのか、よくわからない感じがするんですね。五塔寺の一番重要な建築物の正式名は、「金剛宝座」と言います。五塔寺が建てられた永楽年間に、インドからやってきた高僧が、五塔寺の建築に大きな影響を及ぼしました。金剛宝座にブッダガヤのマハーボディ寺院の建築様式を取り入れたのです。金剛宝座の上部のとんがった塔の部分がまさにそうです。

じっくり見る価値あり! 北京石刻芸術博物館

金剛宝座の上部には、5つのインド様式の塔が立っています。真ん中の塔が一番高く、13層あります。高い塔を囲んでいる中小の塔の東側に仏様の足型がついています。金剛宝座の内部は見学できますが、残念ながら登れないので、自分の目で足型を見ることはできません。それでも五塔寺は、北京石刻芸術博物館と言われているだけあって、金剛宝座の外壁の仏像やチベット文字など、見ごたえのある石刻が集まっています。博物館の目玉は、東漢(25〜220)の石像です。五塔寺は、国の重要文化財なのですが、入場料はたった20元(約340円)。高額の入場料があたり前の中国では、格安です。しかも見ごたえあり! 北京で動物園に行くのなら、五塔寺もあわせて行くのがおすすめです。

「漢持盾石人」と名付けらえた東漢の石像は、博物館内に展示されている 「漢持盾石人」と名付けらえた東漢の石像は、博物館内に展示されている