数ある万里の長城の中で最も美しいといわれる長城

「行くのが面倒でもいい。一番美しい万里の長城を教えて!」と言われたら、何の迷いもなく、金山嶺長城をすすめます。世界遺産の万里の長城は、八達嶺、慕田峪、司馬台、居庸関など、いくつかの観光ポイントがありますが、突出して観光客が多いのは、八達嶺です。観光整備された時期が最も早く、高速バスの本数も多く、鉄道でも簡単に行くことができるので、年間を通して、観光客が訪れます。GWや国慶節の連休ともなると、八達嶺の混雑ぶりは、すさまじいの一言。そんな中、のんびり長城を観光したい欧米人旅行者を中心に人気が出てきたのが、慕田峪と金山嶺長城です。なかでも金山嶺長城は、「長城の中の長城」と呼ばれるほど美しいことで知られています。

楼閣が多く、起伏に富んだ勇壮な風景が魅力の金山嶺長城 楼閣が多く、起伏に富んだ勇壮な風景が魅力の金山嶺長城

金山嶺長城文物管理処からの突然のお知らせ

この金山嶺長城が、2017年6月1日から2018年12月末日まで、閉鎖されることがわかりました。北京を訪れるたびに、金山嶺長城に行くのを楽しみにしている私にとっては衝撃! 金山嶺長城は、アーモンドの白い花が咲き乱れる春、生命力あふれる緑でいっぱいの初夏、澄み切った青空が美しい秋、どの季節に行っても感動ものの美しさで、何回行っても飽きません。私がこの情報を知ったのは、2017年9月13日なので、すでに閉鎖期間に入っていました。2017年5月21日、河北省漆平県金山嶺長城文物管理処から発布されたお知らせによると、道路と金山嶺長城風景区内の設備の老朽化による修復工事だそうです。

12月の平日でも八達嶺の観光客は、週末の金山嶺長城よりも多い 12月の平日でも八達嶺の観光客は、週末の金山嶺長城よりも多い

金山嶺長城と司馬台長城

北京中心部から約130キロ離れた金山嶺長城は、河北省承徳市漆平県にあります。全長10.5キロ、司馬台ダムを間に挟んで、東の端は司馬台長城とつながっています。司馬台長城は全長5.4キロ、北京市密雲県にあります。金山嶺長城からこの司馬台長城まで通行できる時期もありましたが、長年、権利関係の問題があり、金山嶺長城から司馬台長城へは行けなくなりました。もちろん、逆コースもダメ。現在、金山嶺長城の中で最も高い位置にある東五眼楼の東から司馬台ダムの東までが、未開放区になっています。そのため金山嶺長城と司馬台長城は、それぞれが独立した状態です。いつか両方を歩いてみたいというのは、金山嶺長城ファンの長年の夢です。

司馬台長城も起伏にとんだ雄々しい風景が魅力。左下に見えるのは、司馬台ダム 司馬台長城も起伏にとんだ雄々しい風景が魅力。左下に見えるのは、司馬台ダム

金山嶺長城が修復工事に入る理由

紀元前に建設が始まった万里の長城ですが、現在、観光客に開放されている長城は、主に明代(1368−1644)に造営されたものです。多くの楼閣を含め、ボロボロの部分があちこちで見られます。この金山嶺長城も、観光客が少ないところに行くと、荒れ果てた廃墟のようでした。それが金山嶺長城の魅力のひとつでしたが、長期の修復工事に入るとなると、どうなるかわかりません。観光客に危険とみなされた場所にも修復工事が入るのは、仕方ないことですが、金山嶺長城ファンとしては、どんな工事になるのか、不安でいっぱいです。希望はたった一つ。司馬台長城と金山嶺長城を通して歩けるように整備してほしい! とにかく2018年12月末まで金山嶺長城とは、しばしのお別れです。今から再会が待ち遠しい!

金山嶺長城の西の開放区はこのあたりで終わり。観光客の姿もなく、長城の道もボロボロ。でも、この風景が本当の長城らしいという意見もあります 金山嶺長城の西の開放区はこのあたりで終わり。観光客の姿もなく、長城の道もボロボロ。でも、この風景が本当の長城らしいという意見もあります